「少子高齢化」と言われている日本の現状については、なんとなくでも理解している人も多いはず。

そして少子高齢化の原因として挙げられているのは「若年人口の減少」「1人の女性が生涯に産む子どもの数の減少」などがありますが、50歳時点で一度も結婚をしたことがない人の割合を示す「生涯未婚率」の高さにも注目が集まっています。

厚生労働省が発表した「人口動態統計」では、1972年の婚姻件数が約100万組と過去最高を記録した後、年々婚姻件数が減り2017年の婚姻件数では過去最低の約60万組に。
どんどん減り続ける婚姻件数に比例して、もちろん出生数は激減。そして増えていくのは生涯未婚率や税金などの負担金額。

「結婚しないこと」や「子どもを産まないこと」を選択する人々や、金銭的な不安などから結婚を避ける日本人が増えたことで、日本という国家が成り立たなくなると危機感をあらわにする評論家も少なくありません。

1人で生きていく覚悟を決めたKさん(67歳)の暮らしとは

私には、今年で67歳になるKさんという遠い親族がいます。
Kさんは今まで一度も結婚をしたことがない、いわゆる「生涯未婚率を引き上げている当の本人」。

大学進学を機に田舎を離れ、大都会に揉まれながら薬剤師の資格を取得。
卒業後は地元に戻ることなく、そのまま都会の企業に就職をして定年退職まで勤めあげました。
定年退職した後もパート職員として活躍しているKさんは、退職金でマンションを購入したり毎月海外旅行へ出かけたりとアクティブに動き回っています。

3人の子育てに大忙しで自分の身なりを整える暇もない私を横目に、Kさんは自分の時間を贅沢に使い、ファッションや流行にも目を光らせます。

「自由っていいな〜」なんてKさんを羨むことも少なくありませんが、本人からしてみると羨ましがられるほどの暮らしではないのだとか。

「生涯未婚」を選ぶからには避けては通れないビジョン

Kさんは言います。
「私には子どもがいないからね。今から終活のことをしっかりと考えていかなきゃ」

Kさんにはそれなりの資産があるため、自分が死んだ後どのように財産を残すのか、保有している住居や遺品などはどのように処分するのかといった問題がのしかかります。
さらには「いつボケるかわからないから、入居できる施設を今から探しておこうと思っている」とまで!

パートナーや子どもがいる場合でも終活を行うケースが増えていますが、未婚者であればより詳細に「自分がいなくなった後のこと」を決めておかなければなりません。

自分の老後の世話をしてほしいが為に結婚をしたり子どもを産んだりするわけではありませんが、やはり老後にパートナーや子どもがいる環境というのは心強いものです。

また、お金や時間を自由に使えるのは良いけれど、自分の家庭を持つことができなかった寂しさは少なからずある、とポツリ。

生涯未婚を貫き通す為には、それ相応の覚悟や準備が必要と言えるのではないでしょうか。

超少子高齢社会で日本が消滅危機に?