3. 国家公務員の超過勤務は令和7年に平均年224時間、本府省は372時間
超過勤務手当の額は、どれだけ超過勤務をしたかで大きく変わります。人事院の「国家公務員の超過勤務の実態(令和7年)」から、実際の超過勤務時間を確認します。
【全体】
- 令和4年:219時間
- 令和5年:230時間
- 令和6年:219時間
- 令和7年:224時間
【本府省】
- 令和4年:391時間
- 令和5年:382時間
- 令和6年:376時間
- 令和7年:372時間
【本府省以外】
- 令和4年:179時間
- 令和5年:194時間
- 令和6年:181時間
- 令和7年:186時間
3.1 本府省では45.6%が年360時間を超えた
令和7年の超過勤務時間を時間階層別にみると、年360時間を超えた職員の割合は全体で20.8%でした。本府省では45.6%と半数近くにのぼり、本府省以外の14.5%を大きく上回っています。
年720時間を超えた職員は、全体で2.5%、本府省で11.0%、本府省以外で0.4%です。本府省のうち総合職試験の採用者は、平均で年458.6時間でした。
3.2 年224時間を超過勤務手当に直すと約64万円(試算)
全体平均の年224時間がすべて正規の勤務日の超過勤務だったとすると、行政職俸給表(一)の平均による1時間2889円で、年64万7136円になります。本府省の平均372時間なら、同じ条件で年107万4708円です。
ただし、この調査は管理職などを除いた職員が対象で、試算は深夜や週休日の割増を含まない単純な目安です。実際の手当は、勤務した日や時間帯、一人ひとりの給与によって変わります。
4. 国家公務員に超過勤務を命じられる上限は原則「月45時間・年360時間」
国家公務員の超過勤務には、人事院規則一五―一四で上限が定められています。ここでは、上限の時間と、上限を超えた超過勤務の状況を確認します。
4.1 他律的な業務の多い部署は月100時間未満・年720時間
通常の部署では、超過勤務を命じられる上限は1か月45時間、1年360時間です。他律的な業務の比重が高い部署として指定された部署では、1か月100時間未満、1年720時間、2〜6か月の平均で月80時間、月45時間を超える月は年6か月までとされています。
大規模災害への対処や重要な法律の立案など「特例業務」に従事する職員は、この上限を超えて超過勤務を命じられることがあります。その場合、各省各庁の長は超えた部分を必要最小限にし、要因の整理・分析・検証を行うことが求められています。
4.2 上限を超えた要因の上位は国会対応業務と予算・会計関係業務
令和8年人事院勧告の報告によると、令和6年度に他律的な業務の多い部署で月100時間の上限を超えた職員の割合は6.7%(前年度7.7%)、平均月80時間の上限を超えた職員は9.3%(同10.4%)でした。いずれも前年度より減っています。
上限を超えて超過勤務を命じられた職員が従事した特例業務は、他律的な業務の多い部署では「国会対応業務」が20.5%、「予算・会計関係業務」が13.3%で上位でした。人事院は、月100時間などの上限を超える超過勤務の最小化に向けて、府省への支援や指導を続けるとしています。
5. まとめ
国家公務員の超過勤務手当は、俸給と地域手当等をもとにした勤務1時間当たりの給与額に、原則125%の支給割合をかけて計算します。週休日などは135%、深夜は25%が加わり、月60時間を超えた部分は150%になります。
行政職俸給表(一)の平均で試算すると、1時間あたりの手当は2889円です。令和7年の平均年間超過勤務時間数は224時間、本府省では372時間で、上限は原則として月45時間・年360時間と定められています。
超過勤務手当の額を確かめたいときは、まず給与明細で俸給と地域手当の月額を確認し、勤務1時間当たりの給与額を計算してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- e-Gov法令検索「一般職の職員の給与に関する法律」
- e-Gov法令検索「人事院規則九―九七(超過勤務手当)」
- e-Gov法令検索「人事院規則一五―一四(職員の勤務時間、休日及び休暇)」
- 人事院「国家公務員の超過勤務の実態(令和7年)」
- 人事院「令和8年人事院勧告 別紙第1 公務員人事管理に関する報告(抄)【超過勤務の縮減関係】」
- 人事院「令和8年国家公務員給与等実態調査報告書」
太田 彩子