3. 育児休業給付金や出産手当金は、配偶者控除の所得の判定に含めない

配偶者控除の所得要件は「合計所得金額」で判定します。配偶者が受け取ったお金のなかには、この合計所得金額に含めないものがあります。

3.1 育児休業給付金・出産育児一時金・出産手当金は合計所得金額に含めない

国税庁のタックスアンサーによると、雇用保険法にもとづく育児休業給付金は課税されないため、控除対象配偶者に当たるかどうかを判定する合計所得金額には含まれません。国家公務員共済組合法や地方公務員等共済組合法にもとづく育児休業給付金も同様です。

健康保険法にもとづく出産育児一時金や出産手当金も課税されないため、合計所得金額には含めません。

配偶者が育児休業中の年は、育児休業給付金の分を数えずに所得の要件を確かめます。

3.2 雇用保険の求職者給付も、配偶者控除の所得の判定に含めない

配偶者が退職したあとに受け取る雇用保険の求職者給付も、課税されない給付です。国税庁は、控除対象配偶者に当たるかどうかを判定する合計所得金額に含める必要はないとしています。

年の途中で退職した配偶者の場合、退職するまでに受け取った給与は所得に含まれますが、求職者給付は含まれません。

3.3 年の途中で納税者本人が亡くなったときは、配偶者の1年分の所得を見積もる

年の途中で納税者本人が亡くなった場合は、本人が亡くなった時の現況で、配偶者が控除対象配偶者に当たるかを判定します。

このときの所得の要件は、配偶者が亡くなった場合とは異なり、配偶者のその年の1月1日から12月31日までの合計所得金額を見積もって判定します。判定のあとに偶発的な事由で配偶者に所得が生じても、判定には影響しません。

4. 住民税の配偶者控除は33万円、所得税の38万円とは控除額が違う

配偶者控除は、住民税にもあります。ただし、控除額や改正が反映される時期は所得税と同じではありません。

4.1 住民税の配偶者控除額は33万円、70歳以上の配偶者は38万円

東京都中央区の案内によると、令和8年度の住民税の配偶者控除額は、納税者本人の合計所得金額が900万円以下の場合、33万円です。70歳以上の配偶者(老人控除対象配偶者)は38万円です。

所得税の配偶者控除額は、同じ条件で38万円、70歳以上の配偶者は48万円です。住民税の控除額は、所得税より5万円(70歳以上の配偶者は10万円)少なくなっています。

4.2 住民税は、令和8年中の所得で判定する令和9年度分から「62万円以下」に

住民税は、前年の所得をもとに計算されます。名古屋市の案内によると、令和9年度分以降の住民税では、配偶者の前年中の合計所得金額の要件が62万円以下(改正前は58万円以下)になります。

給与収入に換算すると、令和7年中は123万円以下、令和8年中と令和9年中は136万円以下です。令和8年の所得については、所得税は令和8年分の年末調整で、住民税は令和9年度分で62万円以下の要件が使われることになります。

5. まとめ

配偶者控除の対象になる控除対象配偶者は、その年の12月31日の現況で、民法の規定による配偶者である、生計を一にしている、合計所得金額が62万円以下、事業専従者でない、の4つすべてに当てはまる人です。

年の途中で配偶者が亡くなった場合は亡くなった時の現況で判定し、所得はその年の1月1日から亡くなった日までで見ます。育児休業給付金や出産手当金、雇用保険の求職者給付は、所得の判定に含めません。

税の扱いは今後の改正で変わることもあります。申告書を書く前に、勤務先の案内と国税庁のタックスアンサーをあわせて確かめていただければと思います。

参考資料