4. 休業中に会社から賃金が出ると、介護休業給付金は賃金の80%を上限に減る
勤務先によっては、介護休業中も賃金の一部が支払われることがあります。その場合の介護休業給付金の計算を確認します。
4.1 介護休業給付金と賃金の合計が80%を超えると、超えた分が減らされる
支給対象期間中に支払われた賃金と、賃金日額×支給日数の67%相当額の合計が、賃金日額×支給日数の80%を超えると、超えた額を減らして支給されます。
支払われた賃金だけで80%以上になるときは、その期間の介護休業給付金は支給されません。
4.2 賃金日額1万円で会社から6万円が支払われると、介護休業給付金は18万円
賃金日額1万円、支給日数30日の場合、80%にあたる額は24万円です。
会社から3万円が支払われたときは、介護休業給付金20万1000円との合計が23万1000円で、24万円に届きません。介護休業給付金は20万1000円のまま支給されます。
6万円が支払われたときは、合計26万1000円が24万円を2万1000円上回ります。介護休業給付金は2万1000円減って18万円です。
支払われた賃金が24万円以上の期間は、介護休業給付金は支給されません。介護休業中に賃金が出るかどうかは、就業規則や勤務先の担当部署で確かめておきましょう。
5. 介護休業給付金の申請は事業主を通じてハローワークへ。期限は休業終了日の翌日から2か月後の月末
介護休業給付金の支給申請書は、休業が終わったあとに提出します。手続きの流れと期限を、ハローワークの案内で確認します。
5.1 介護休業給付金の申請期限は、休業終了日の翌日から2か月を経過する日の属する月の末日
支給申請書の提出期限は、各介護休業終了日の翌日から起算して2か月を経過する日の属する月の末日までです。
介護休業が3か月を経過したときは、介護休業開始日から3か月を経過した日の翌日から数えます。
申請は事業主を経由して行い、本人が自ら手続きすることを希望する場合は本人も申請できます。提出先は事業所の所在地を管轄するハローワークで、電子申請もできます。
5.2 介護休業給付金の申請書には、介護休業申出書や続柄が確認できる書類を添える
支給申請書には、事業主に提出した介護休業申出書と、介護する家族の氏名や本人との続柄などが確認できる住民票記載事項証明書などを添えます。
介護する家族と同じ世帯にいて、申請時に両方のマイナンバーを届け出た場合は、続柄を確認できる書類を省略できます。
休業の開始日・終了日と休業日数の実績がわかる出勤簿やタイムカード、休業期間中に支払われた賃金がわかる賃金台帳なども必要です。
事業主は、休業開始時賃金月額証明書をハローワークに提出します。書類の多くは勤務先が用意するため、提出した日や書類の控えを本人も残しておくと、手続きの進み具合を確かめやすくなります。
6. 介護休暇は年5日まで時間単位で取れる。2025年4月の育児・介護休業法の改正で対象が広がった
通院の付き添いや役所での手続きなど、短い時間の用事には、介護休業ではなく介護休暇が使えます。
6.1 介護休暇は、対象家族が1人なら年5日、2人以上なら年10日まで
介護休暇は、対象家族が1人の場合は1年間に5日まで、2人以上の場合は1年間に10日まで取れます。1日単位のほか、時間単位でも取れます。
介護休暇の期間中を有給とするか無給とするかは、会社の規定によります。雇用保険から介護休業給付金が支給されるのは、ここまで見てきた介護休業です。
6.2 2025年4月から、介護休暇の対象から「継続雇用期間6か月未満」の除外がなくなった
2025年4月1日に施行された改正育児・介護休業法で、労使協定によって介護休暇の対象から外せる労働者のうち、継続雇用期間6か月未満という要件が廃止されました。
労使協定で除外できるのは、週の所定労働日数が2日以下の労働者だけになりました。入社して間もない人も、介護休暇の対象になりました。
6.3 介護に直面したと申し出ると、勤務先は介護休業などの制度を個別に知らせて意向を確かめる
同じ改正で、介護に直面した旨を申し出た労働者に対し、事業主は介護休業制度などを個別に周知し、取得や利用の意向を確かめることが義務になりました。
40歳になったときなど、介護に直面する前の早い段階での情報提供も事業主の義務です。家族を介護する労働者がテレワークを選べるようにする措置は、努力義務とされました。
勤務先から受け取った制度の説明は、親の状況とあわせて家族で共有しておくと、誰がいつ休むかを決めるときの材料になります。
7. まとめ
介護休業給付金は、休業開始時賃金日額×支給日数×67%で計算します。賃金月額30万円なら1か月20万1000円で、上限は36万6222円です。家族1人につき通算93日まで、3回に分けて受け取れます。
2025年度の受給者は3万9783人で、2022年度から9717人増えました。休業中に会社から賃金が出ると減額されることがあり、申請の期限は休業終了日の翌日から2か月を経過する日の属する月の末日です。
短い時間の用事には、年5日まで時間単位で取れる介護休暇も使えます。勤務先の制度と申請に必要な書類を早めに確かめておくと、休み方を選びやすくなります。