4. 【年金】25年間の累積収益は196兆9306億円、年率4.67%

GPIFの運用は、1年ごとではなく長い期間で見ることが大切です。市場で運用を始めた2001年度からの実績を確認します。

4.1 マイナスの四半期があっても、長期では収益を積み上げてきた

2001年度から2025年度までの25年間の収益率は年率4.67%で、累積収益額は196兆9306億円でした。四半期ごとにみると、収益がマイナスになった時期も何度もありますが、長い期間でみると収益を積み上げてきたことが分かります。

4.2 運用目標を上回る実績

GPIFの長期的な運用目標は、名目賃金上昇率に1.9%を上乗せした「実質的な運用利回り1.9%」を確保することです。2001年度から2025年度までの実質的な運用利回りは年率4.33%で、目標を上回っています。

GPIFの25年間の運用実績です。4/5

GPIFの25年間の運用実績

出所:年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)「2025年度 業務概況書会見」をもとにLIMO編集部作成

5. 【年金】年金給付の財源に占める積立金は、100年間の平均で約1割

では、GPIFが運用する積立金は、私たちの年金とどのようにつながっているのでしょうか。

5.1 年金の財源の中心は、現役世代の保険料と税金

GPIFによると、少子高齢化が進むなかで、年金積立金は将来の年金給付財源の不足分を補い、将来の現役世代の保険料負担が大きくなりすぎないようにする役割を担っています。年金給付の財源を100年間の平均でみると、積立金が占める割合は約1割です。

つまり、年金給付の財源の多くは、その時々の現役世代が納める保険料と国庫負担(税金)です。積立金は、それを補う役割を担っています。

5.2 賃金の上昇を上回る収益で年金財政を支える

年金財政は、賃金の上昇とも連動しています。GPIFは、長期的に賃金上昇率を上回る収益を上げることで、年金財政に貢献するとしています。GPIFが重視するリスクは、短期的な損失ではなく、年金財政上必要な長期的な収益が得られないことです。

年金財政における年金積立金の役割です。5/5

年金財政における年金積立金の役割

出所:年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)「2025年度 業務概況書会見」をもとにLIMO編集部作成

6. 【FPの視点】GPIFの短期の損益に一喜一憂しない

GPIFの運用成績は、ニュースで大きく取り上げられることがあります。ただし、四半期ごとの収益がマイナスになったからといって、すぐに受け取る年金額が減るわけではありません。

6.1 年金額は運用成績だけで決まるわけではない

年金給付の財源に占める積立金の割合は、100年間の平均で約1割です。積立金の運用は長期の視点で行われていて、1年ごとの損益で年金制度全体を判断することはできません。年金額は、毎年度の賃金や物価の動きなどをもとに改定されます。

6.2 自分の年金記録と見込み額を確認しよう

ご自身の年金については、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で、これまでの加入記録や将来の見込み額を確かめておくと安心です。GPIFの長期・分散の運用の考え方は、個人が老後に向けて資産形成を考えるうえでも参考になります。

7. まとめにかえて

GPIFの2025年度の運用実績は、収益率16.47%、収益額41.4兆円で、4四半期すべてでプラスでした。国内外の株式と債券に25%ずつ分散して運用していて、2001年度からの25年間では、年率4.67%、累積196兆9306億円の収益を上げています。

年金積立金は、将来の年金給付の財源の不足分を補う役割を担っていて、100年間の平均でみると給付の財源の約1割を占めます。年金の財源の中心は、現役世代の保険料と税金です。

年金制度や積立金の運用の方針は、見直されることがあります。最新の情報は、GPIFや厚生労働省、日本年金機構の公表資料で確認してみてください。

参考資料

村岸 理美