4. 医療+介護の自己負担を合算「高額介護合算療養費」は174億円
医療だけでなく介護サービスも利用していると、それぞれの自己負担が重なって大きな負担になることがあります。そうした場合に負担を軽くするのが、高額介護合算療養費です。
4.1 1年間の医療と介護の自己負担を合算
厚生労働省によると、高額介護合算療養費制度は、毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間に、医療保険と介護保険で支払った自己負担の合算額が著しく高額になる場合に、負担を軽くする仕組みです。
同じ医療保険の世帯に介護保険の受給者がいる場合に、被保険者からの申請に基づいて、自己負担の合算額が限度額を超えた分が支給されます。食費・居住費や差額ベッド代などは対象になりません。
4.2 支給額は年170億〜180億円台で推移
後期高齢者医療の高額介護合算療養費は、2023年度は174億円でした。2019年度は179億円、2020年度は182億円で、ここ数年は170億〜180億円台で推移しています。高額療養費の1兆444億円と比べると規模は小さいものの、医療と介護の両方を利用する世帯にとっては、知っておきたい制度です。
5. 所得区分別の1人当たり医療費、窓口負担1割の方は99万9171円
1人当たりの医療費は、所得区分によっても違いがあります。
5.1 窓口負担が3割の方は87万486円
2023年度の1人当たり医療費を所得区分別にみると、現役並み所得者(窓口負担3割)は87万486円、一定以上所得者(同2割)は89万704円、それ以外の方は99万9171円でした。
5.2 葬祭費は1件あたり4万3298円
後期高齢者医療では、医療の給付のほかに、被保険者が亡くなったときに葬祭を行った方へ葬祭費が支給されます。2023年度の葬祭費は114万3000件、1件当たり4万3298円でした。支給額や手続きは広域連合によって異なるため、お住まいの地域の広域連合で確認しましょう。
6. 【FPの視点】高額療養費と高額介護合算療養費は、申請の案内を見落とさない
後期高齢者医療の給付は、保険料だけでなく、公費や現役世代の支援によって支えられています。給付を受けられる場面では、制度をきちんと活用することが大切です。
6.1 高額療養費の上限額は2026年8月に見直し
高額療養費の自己負担の上限額は、2026年8月に見直されています。ご自身の所得区分の上限額は、加入している広域連合の最新の案内で確認しておきましょう。
6.2 医療と介護の両方を使う世帯は、合算の申請を
高額介護合算療養費は、申請に基づいて支給される制度です。家族のなかに医療と介護の両方を利用している方がいる場合は、1年間の自己負担を確認し、広域連合や市区町村から届く案内を見落とさないようにしましょう。分からない点は、お住まいの市区町村の後期高齢者医療の担当窓口に相談できます。
7. まとめにかえて
2023年度の後期高齢者医療の被保険者1人当たりの医療費は96万8102円、保険給付費は88万8444円で、保険料は7万8978円でした。保険料は給付の8.9%にあたり、給付の多くは公費や現役世代の支援で支えられています。
高額療養費は1兆444億円と、前年度から27.5%増えました。医療と介護の自己負担を合算する高額介護合算療養費は174億円で、医療と介護の両方を利用する世帯の負担を軽くしています。
給付の内容や上限額、手続きは、制度の見直しや広域連合によって変わることがあります。最新の内容は、お住まいの都道府県の後期高齢者医療広域連合や市区町村の窓口、厚生労働省の情報で確認してください。
参考資料
村岸 理美