3. 70歳代の金融商品の選択基準は「安全性」30.7%が「収益性」29.5%を上回った

家計の金融行動に関する世論調査では、金融商品を選ぶときに最も重視することを、収益性・安全性・流動性などに分けて尋ねています。70歳代の答え方は、ほかの年代と少し違っていました。

3.1 安全性の内訳は「元本が保証されているから」が24.9%

70歳代の二人以上世帯で、金融商品を選ぶときに「安全性」を重視すると答えた世帯は30.7%でした。内訳は「元本が保証されているから」24.9%、「取扱金融機関が信用できて安心だから」5.8%です。

「収益性」は29.5%で、内訳は「利回りが良いから」17.1%、「将来の値上がりが期待できるから」12.4%でした。「流動性」は21.0%、「商品内容が理解しやすいから」は3.5%です。

3.2 20歳代から60歳代は「収益性」が上、70歳代だけ「安全性」が上回る

年代別に「収益性」と「安全性」を並べると、20歳代から60歳代まではいずれも収益性が安全性を上回っていました。70歳代だけが、安全性30.7%、収益性29.5%と逆転しています。

  • 20歳代:収益性35.1%、安全性28.1%
  • 30歳代:収益性47.2%、安全性18.5%
  • 40歳代:収益性39.3%、安全性21.8%
  • 50歳代:収益性34.5%、安全性24.8%
  • 60歳代:収益性37.8%、安全性24.9%
  • 70歳代:収益性29.5%、安全性30.7%

ただし、70歳代でも収益性を重視する世帯は3割近くあり、差は1.2ポイントです。安全性を重視する世帯と収益性を重視する世帯が、ほぼ同じ割合で並んでいると読むのが正確です。

4. 元本割れの可能性がある金融商品を「保有しようとは全く思わない」70歳代は54.4%

同じ調査では、元本割れを起こす可能性があるものの収益性が高いと見込まれる金融商品を保有したいかどうかも尋ねています。

4.1 年代が上がるほど「全く思わない」の割合は高くなる

70歳代の二人以上世帯では、そうした商品を「保有しようとは全く思わない」が54.4%と半数を超えました。「一部は保有しようと思っている」は34.3%、「積極的に保有しようと思っている」は11.4%です。

  • 20歳代:全く思わない33.3%、一部は保有29.8%、積極的に保有36.8%
  • 30歳代:全く思わない37.5%、一部は保有31.5%、積極的に保有31.0%
  • 40歳代:全く思わない40.9%、一部は保有36.8%、積極的に保有22.3%
  • 50歳代:全く思わない47.5%、一部は保有32.1%、積極的に保有20.4%
  • 60歳代:全く思わない49.0%、一部は保有35.8%、積極的に保有15.2%
  • 70歳代:全く思わない54.4%、一部は保有34.3%、積極的に保有11.4%

4.2 「一部は保有しようと思っている」70歳代も34.3%ある

「積極的に」と「一部は」を合わせると、70歳代でも45.7%の世帯が、元本割れの可能性がある商品を何らかの形で持とうと考えていることになります。

金融資産の保有目的で「病気や不時の災害への備え」を挙げる世帯が多い年代でもあるため、すぐに使う可能性のあるお金と、値動きがあっても当面は使わないお金とを分けて考えておくと、商品を選ぶときの判断がしやすくなります。

5. まとめにかえて

家計の金融行動に関する世論調査2025年によると、70歳代の二人以上世帯の金融資産保有額は平均2416万円、中央値1178万円で、3000万円以上が25.2%、金融資産を保有していない世帯が10.9%でした。

金融資産を持つ目的は「老後の生活資金」67.4%、「病気や不時の災害への備え」56.7%が上位を占め、後者はすべての年代で最も高い割合です。金融商品を選ぶときは、70歳代だけ安全性が収益性をわずかに上回りました。

いま持っているお金を目的ごとに書き出し、どの口座や商品に置いているかを家族と一緒に確かめておくと、使う順番を決めやすくなります。

参考資料

総務省「家計調査報告-2026年(令和8年)8月分-」
金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2025年」