4. マイナ保険証で受診しても、医療費助成の書類を持参したほうがよい場面
医療費助成のオンライン資格確認に対応した医療機関でも、マイナ保険証だけでは足りない場面があります。厚生労働省の説明会資料の質疑応答から確認します。
4.1 自己負担上限額管理票は、マイナ保険証では読み取れない
難病や小児慢性特定疾病の医療費助成のように、月ごとの自己負担の上限を管理している制度では、受診のたびに支払った額を「自己負担上限額管理票」に記入してもらいます。
厚生労働省は、自己負担上限額管理票の内容はマイナ保険証によるオンライン資格確認では読み取ることができないため、管理票を持っている場合は受診時に必ず持参するよう受給者に伝えてほしいと自治体に回答しています。
4.2 法律にもとづく公費負担医療では、紙の受給者証は引き続き交付される
同じ質疑応答では、公費負担医療については紙の受給者証を引き続き交付するとしています。子ども医療費などの自治体独自の医療費助成で紙の受給者証をどう扱うかは、自治体の判断によります。
マイナ保険証で受付ができる医療機関ばかりとは限らないため、紙の受給者証が届いている人は、捨てずに保管しておくと安心です。
4.3 カードリーダーで読み取れないときは、受給者証の提示が必要になる
自治体からは、カードリーダーが故障するなどして読み取れなかった場合の対応についても質問が出ています。厚生労働省は、受給者証を示す以外の方法について、健康保険や医療扶助での取り扱いを踏まえて検討するとしています。
現時点では、読み取れなかったときに受給者証を示せるようにしておくのが確実です。
5. 医療費助成のオンライン資格確認に参加しても、窓口での支払い方は変わらない
マイナ保険証で受給者証の情報を確認できるようになっても、医療費助成の中身や支払いの流れが変わるわけではありません。
5.1 PMHへの参加で、自動的に現物給付になるわけではない
医療費助成には、窓口で助成後の額だけを払う方法(現物給付)と、いったん自己負担分を払ってから自治体に申請して払い戻しを受ける方法(償還払い)があります。
デジタル庁の資料では、会計やマスタ管理部分は現状と同じままで、PMHへの参加によって自動的に現物給付になるわけではないと注記しています。払い戻しの申請が必要な自治体では、領収書を保管して申請する手順もこれまでどおりです。
5.2 医療費助成の対象年齢や自己負担の額は、自治体ごとに決まっている
自治体独自の医療費助成は、対象年齢や所得制限、1回あたりの自己負担額などを自治体が決めています。マイナ保険証で確認できるのは、自治体が登録した受給者証の情報です。
引っ越したときや、子どもが対象年齢を超えるときは、受給者証の有効期間とあわせて自治体の案内を確かめておくと、窓口で戸惑わずに済みます。
6. 公費負担医療のオンライン資格確認は、2027年4月から制度として位置づけられる
医療費助成のオンライン資格確認は、いまは先行実施の扱いですが、2027年度から仕組みが変わります。
6.1 2027年4月から、システムの管理・運用は社会保険診療報酬支払基金が担う
厚生労働省の資料によると、公布済みの医療法等改正法により、公費負担医療のオンライン資格確認が制度化されます。自治体からの質問に対し、厚生労働省は施行日を2027年4月1日とする認識で間違いないと回答しています。
2027年4月からは、デジタル庁が運用してきたPMHのシステムの管理・運用を、社会保険診療報酬支払基金が担う予定です。厚生労働省は、自治体に対して、原則として2026年度中に担当する公費負担医療のオンライン資格確認を導入するよう求めています。
6.2 子ども医療費などの自治体独自の医療費助成は、導入するかを自治体が判断する
一方、子ども医療費などの自治体独自の医療費助成は、オンライン資格確認を導入するかどうかを自治体が判断します。厚生労働省は、患者や自治体、医療機関・薬局にメリットがあるとして、導入を検討するよう自治体に求めています。
住んでいる自治体の子ども医療費助成が対象になっているかは、デジタル庁の自治体一覧で制度ごとに確かめられます。
7. まとめ
子ども医療費などの医療費助成の受給者証は、自治体と医療機関・薬局の両方が対応していれば、マイナ保険証で代わりにできます。デジタル庁の一覧では、2026年9月25日時点で対応する自治体は611、導入済みの医療機関・薬局は2026年8月25日現在で9万150施設です。
ただし、自己負担上限額管理票はマイナ保険証では読み取れないため、持っている人は受診のたびに持参が必要です。法律にもとづく公費負担医療では、紙の受給者証も引き続き交付されます。
支払いが現物給付か償還払いかは、オンライン資格確認に参加しても変わりません。2027年4月からは公費負担医療のオンライン資格確認が制度化される予定で、自治体独自の医療費助成は自治体ごとに導入を判断します。対応状況は、受給者証を発行した自治体の案内で確かめるのが確実です。