4. 継続雇用制度は「再雇用制度」が93.6%、「勤務延長制度」は11.0%

人事院の調査では、継続雇用制度を「再雇用制度」「勤務延長制度」「特殊関係事業主(子会社・関連会社等)での継続雇用」の3つに分けて集計しています。定年制がある企業のうち、それぞれの制度がある企業の割合を確認します。

4.1 再雇用制度は定年でいったん退職してから再び雇用する仕組み

人事院は、再雇用制度を「一旦定年退職した従業員を再び雇用する」制度、勤務延長制度を「定年年齢に達した従業員を退職させることなく引き続き常勤の従業員として雇用する」制度としています。

定年制がある企業のうち、再雇用制度がある企業は93.6%、勤務延長制度がある企業は11.0%、子会社・関連会社等での継続雇用制度がある企業は1.7%でした。複数の制度をあわせ持つ企業があるため、合計は100%になりません。

4.2 継続雇用制度がある企業の87.5%は再雇用制度だけ

継続雇用制度がある企業を100とすると、再雇用制度だけを設けている企業が87.5%、勤務延長制度だけの企業が5.9%、再雇用制度と勤務延長制度の両方がある企業が4.8%でした。

再雇用制度では、定年でいったん退職します。勤務延長制度は定年で退職しない仕組みのため、退職金をいつ、どの時点の勤続年数で計算するかは、勤務先の退職金規程で確かめる必要があります。

5. 再雇用制度の上限年齢は65歳が64.7%、70歳は20.1%

継続雇用制度で何歳まで働けるかは、制度ごとの上限年齢で決まります。人事院の調査から、再雇用制度と勤務延長制度の上限年齢を見ていきます。

5.1 再雇用制度・勤務延長制度の上限年齢

【再雇用制度がある企業】

  • 65歳:64.7%
  • 70歳:20.1%
  • 71歳以上:3.7%
  • 上限なし:7.8%

【勤務延長制度がある企業】

  • 65歳:46.8%
  • 70歳:21.5%
  • 71歳以上:8.4%
  • 上限なし:18.9%

いずれも常勤の従業員が100人以上の企業の割合で、主な上限年齢を抜き出しています。勤務延長制度がある企業は、再雇用制度がある企業に比べて「上限なし」の割合が高くなっています。

5.2 再雇用制度の上限年齢を変える予定の企業は8.7%

再雇用制度がある企業のうち、上限年齢を変更する予定がある企業は8.7%でした。変更予定がある企業を100とすると、変更後の上限年齢を70歳とする企業が37.6%、検討中・未定の企業が42.0%です。

6. 退職金と定年後の働き方は、退職金規程と就業規則の両方で確かめる

ファイナンシャル・プランナーとして家計相談をお受けしていると、退職金の額だけを先に考え、定年後に何歳まで、どのような条件で働けるかを確かめていない方が少なくありません。退職金と定年後の働き方は、別々の規程に書かれています。

6.1 退職金規程で確かめたい計算方法と支払いの時期

労働基準法では、退職手当の定めをする場合、適用される労働者の範囲、退職手当の決定・計算・支払いの方法、支払いの時期を就業規則に定めることになっています(第89条)。退職金規程では、これらに加えて勤続年数の数え方や退職の理由による違いを確かめられます。就労条件総合調査のとおり、定年と自己都合では大学・大学院卒の平均で455万円の差があるため、どの退職の理由に当たるかも見ておきたいところです。

6.2 就業規則で確かめたい定年年齢と継続雇用制度

就業規則では、定年年齢と、継続雇用制度が再雇用制度なのか勤務延長制度なのか、上限年齢が何歳なのかを確かめられます。定年後に何歳まで、どの制度で働けるかは、退職金の使い道を考える前提になります。

ファイナンシャル・プランナーとしてお伝えしたいのは、退職金は「定年後の収入がいくらで、何歳まで続くか」とあわせて見ることで、使い道や残し方を決めやすくなるということです。2つの規程を手元にそろえるところから始めてみましょう。

7. まとめ

会社員の退職金は、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の定年退職者で平均1896万円でした。退職の理由によって金額は変わり、早期優遇が2266万円、自己都合が1441万円です。

人事院の令和7年調査では、定年制がある企業のうち60歳定年が69.7%、継続雇用制度がある企業が94.7%でした。再雇用制度の上限年齢は65歳が64.7%を占めています。退職金の額と定年後の働き方を、勤務先の規程でまとめて確かめておくと安心です。

参考資料

村岸 理美