何歳まで働くか、退職金をいつどう受け取るかは、老後の資金計画を考えるうえで欠かせないテーマです。
法人会員向け与信管理クラウドサービス提供のリスクモンスター株式会社が2026年9月に公表した調査では、40〜59歳で働く人の79.4%が「60歳以降も働くと思う」と答えました。帝国データバンクの調査でも、企業が従業員に活躍してほしい年齢は平均67.9歳でした。
一方、厚生労働省の集計では、定年を65歳とする企業は27.2%にとどまり、60歳定年の企業が62.2%と多数を占めています。
この記事では、働く人と企業がそれぞれ何歳まで働くことを想定しているのかを確認したうえで、地方公務員の退職手当の平均額と、退職金を一時金で受け取るときの税金の仕組み、2026年1月からの改正点を整理します。
1. 40~50歳代「79.4%」が60歳以降も働くと回答。理由の最多は「生活費・老後資金の確保」
リスクモンスターは2026年9月8日、「何歳まで働くと思う?現役世代の老後就労予測」調査の結果を公表しました。全国の40〜59歳の有職者800人が回答したインターネット調査です(調査期間は2026年6月18日〜22日)。
1.1 約8割が60歳以降も働くと考えている
60歳以降も「働くと思う」と答えた人は79.4%で、「働かないと思う」の20.6%を大きく上回りました。年代別では、40代が76.3%、50代が82.5%です。
60歳以降も働く理由として最も多かったのは「生活費・老後資金の確保」で46.9%でした。以下、「働くことが当たり前」が15.8%、「社会との関係維持」が15.1%と続きます。
1.2 何歳まで働くかは「61〜65歳」が32.0%、「66〜70歳」が31.0%
60歳以降も働くと思う人に何歳まで働くかを聞いたところ、「61〜65歳」が32.0%、「66〜70歳」が31.0%でした。両方を合わせると63.0%で、約3人に2人が70歳までの就労を想定しています。
年収別にみると違いがはっきり出ます。年収300万円未満では「働ける限り」が56.5%と半数を超える一方、800万円以上では「61〜65歳」が50.0%と最も多く、「働ける限り」は5.7%にとどまりました。
2. 企業が期待する従業員の「活躍年齢」は平均67.9歳
働く側だけでなく、企業の側も長く働いてもらうことを期待しています。帝国データバンクが2026年9月11日に公表した「企業が期待する『活躍年齢』に関する動向アンケート」(全国1289社、調査期間は2026年9月4日〜8日)から確認します。
2.1 平均は67.9歳、中央値は70歳
自社の従業員に何歳ごろまで活躍してほしいかを尋ねたところ、平均は67.9歳、中央値は70歳でした。帝国データバンクは、65歳までの雇用確保措置の年齢を3歳ほど上回り、企業が70歳近くまでの活躍を期待していることがわかったとしています。
規模別では、小規模企業が68.3歳、中小企業が68.1歳、大企業が66.8歳と、規模が小さいほど高くなりました。業界別では「農・林・水産」が70.1歳で唯一70歳を超え、「建設」は67.4歳で最も低くなっています。
2.2 従業員の最高齢は平均68.3歳、最も高い企業では91歳
現在の従業員の最高齢を尋ねると、平均は68.3歳で、個別の企業でみた最高齢は91歳でした。最高齢の分布では「65〜69歳」が26.0%で最も多く、「70〜74歳」が24.9%で続きます。
では、制度のうえでは何歳まで働ける企業がどのくらいあるのでしょうか。次章では厚生労働省の集計を見ていきます。
3. 【退職金】65歳定年の企業は27.2%。60歳定年はまだ62.2%
厚生労働省は2025年12月19日、令和7年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表しました。常時雇用する労働者が21人以上の企業23万7739社の、令和7年6月1日時点の状況をまとめたものです。
3.1 65歳までの雇用確保は99.9%。ただし再雇用などの継続雇用制度が65.1%
高年齢者雇用安定法は、65歳までの雇用を確保するため、「定年制の廃止」「定年の引上げ」「継続雇用制度の導入」のいずれかを講じることを企業に義務づけています。これらの措置を実施済みの企業は99.9%でした。
措置の内訳は、定年後に再雇用などで働き続けられる「継続雇用制度の導入」が65.1%(前年から2.3ポイント減)、「定年の引上げ」が31.0%(同2.3ポイント増)、「定年制の廃止」が3.9%(変動なし)です。
3.2 定年は60歳が62.2%、65歳が27.2%
定年制の状況をみると、定年を60歳とする企業が62.2%(前年から2.2ポイント減)で最も多く、65歳とする企業は27.2%(同2.0ポイント増)でした。70歳以上は2.5%、定年制の廃止は3.9%です。
65歳以上の定年(定年制の廃止を含む)の企業は34.9%で、前年から2.3ポイント増えています。また、努力義務とされている70歳までの就業確保措置を実施済みの企業は34.8%でした。
60歳定年の会社で再雇用されて働き続ける場合、退職金は一般に60歳の定年時に支給されます。働く期間が延びても、退職金を受け取る時期は会社の制度によって変わる点を押さえておきたいところです。