5. 国民健康保険料の産前産後期間の減額は、出産予定日の6か月前から届け出られる

産前産後期間の減額は、届出をして受ける仕組みです。届出の時期と必要なものを、区の案内で確認します。

5.1 出産前は母子健康手帳、出産後は出生届受理証明書などを使う

世田谷区の案内では、届出は出産予定日の6か月前からでき、出産後に届け出ることもできます。出産前に届け出るときは母子健康手帳か医療機関が発行する証明書、出産後に届け出るときは戸籍謄本や出生届受理証明書、医療機関が発行する証明書などを使います。

中野区の案内では、母子健康手帳のほか、国民健康保険の資格確認書とマイナンバーを確認できる書類を挙げています。必要なものは区市町村によって違うので、届け出る前に案内ページで確かめておくと手続きがしやすくなります。

5.2 窓口・郵送に加え、マイナポータルで届け出られる区もある

江東区と中野区は、窓口と郵送のほかに、マイナポータルからのオンライン申請も案内しています。体調に合わせて届出の方法を選べるかどうかも、あらかじめ確認しておけます。

6. 【試算】国民健康保険料の所得割と均等割が年18万円なら、減額は4か月分で6万円

減額される額の目安を、単純な計算で確かめておきます。ここでは、出産する本人の所得割額と均等割額の合計を年18万円と仮定します。

6.1 単胎なら6万円、多胎なら9万円が目安

年18万円を12か月で割ると、1か月あたり1万5000円です。単胎の4か月分なら6万円、多胎の6か月分なら9万円が減額の目安になります。

これはLIMO編集部による単純な試算で、実際の減額の額は市区町村の計算によって決まります。対象期間が2つの年度にまたがる場合は、それぞれの年度の保険料から分けて減額されます。

6.2 減額されても、その月の納付額が0円になるとは限らない

江東区の案内では、減額は年額の保険料から行うため、対象期間の保険料が必ず0円になるとは限らないとしています。すでに納めた分が多すぎた場合は、還付されます。

また、減額の対象として挙げられているのは所得割額と均等割額です。世帯ごとにかかる平等割がある市区町村では、平等割は減額の対象に含まれていません。

7. 勤め先の健康保険に加入している人は、国民健康保険の減額の対象外

中野区の案内では、勤め先の健康保険に加入している人をこの減額の対象から除いています。夫婦で加入している医療保険が違う場合は、出産する本人がどちらに加入しているかで扱いが分かれます。

勤め先の健康保険には、産前産後休業の期間の保険料を免除する別の仕組みがあり、勤め先を通じて手続きをします。

ファイナンシャル・プランナーとしてお伝えしたいのは、出産の前後は収入と支出の両方が動きやすい時期だということです。記事中の試算のように、減額される額のおおよそを先に把握しておくと、出産前後の家計の見通しを立てやすくなるでしょう。

8. まとめ

国民健康保険に加入している人が出産するときは、出産予定月の前月から4か月分、多胎なら3か月前から6か月分、本人の所得割額と均等割額が減額されます。届出は出産予定日の6か月前からでき、出産後でも届け出られます。

人口動態統計速報では、2026年1月から7月の出生数は40万4547人でした。出産を控えている人は、まず自分が加入している医療保険の種類と、お住まいの市区町村の届出の方法を確かめておくと安心です。

参考資料

村岸 理美