厚生労働省が2026年9月25日に公表した人口動態統計速報によると、2026年1月から7月までの出生数は40万4547人で、前年の同じ時期より1852人多くなりました。

出産を控えた人のうち、自営業やフリーランス、勤め先の健康保険に加入していない人などは、国民健康保険に加入しています。国民健康保険では、出産の前後の期間にかかる保険料が減額されます。

この記事では、国民健康保険料の決まり方と、産前産後期間に減額される月・保険料の区分を確認します。

1. 国民健康保険に加入するのは、勤め先の健康保険に入っていない自営業やフリーランスなど

国民健康保険は、都道府県と市区町村が運営する医療保険です。まず、国民健康保険に加入するのがどんな人かを確認しておきます。

1.1 75歳未満で、ほかの医療保険に加入していない人が対象

国民健康保険には、自営業やフリーランスの人、勤め先の健康保険の加入条件にあてはまらないパートやアルバイトの人、退職して勤め先の健康保険を抜けた人などが加入します。

75歳になると、後期高齢者医療制度に移ります。また、勤め先の健康保険とは違い、国民健康保険には「被扶養者」のしくみがありません。家族も一人ひとりが被保険者になり、生まれた子どもも加入します。

2. 国民健康保険料は令和8年度から4つの区分で決まる

国民健康保険料は、いくつかの区分ごとに計算した額を合計して決まります。令和8年度からは、その区分が1つ増えました。

2.1 医療分・後期高齢者支援金分・介護分に、子ども・子育て支援金分が加わった

世田谷区の案内によると、令和8年4月分から、それまでの国民健康保険料に「子ども・子育て支援金分」が加算されています。区分は、医療分、後期高齢者支援金分、介護分、子ども・子育て支援金分の4つです。

このうち介護分は、40歳から64歳までの人にかかります。

2.2 所得割と均等割を組み合わせて計算する

それぞれの区分は、前年の所得に応じてかかる「所得割」と、加入者1人ごとにかかる「均等割」を組み合わせて計算します。市区町村によっては、1世帯ごとにかかる「平等割」を加えるところもあります。

均等割は所得にかかわらず加入者の人数分かかるため、家族が増えると世帯の保険料も増えます。

3. 国民健康保険料の産前産後期間の減額は、出産予定月の前月から4か月分

国民健康保険に加入している人が出産するときは、出産の前後の期間の国民健康保険料が減額されます。世田谷区の案内では、令和6年1月以降の分から減額が始まっています。

国民健康保険料の産前産後期間の減額は、単胎で4か月分、多胎で6か月分です1/2

国民健康保険料の産前産後期間に減額される月を、単胎は出産予定月の前月から翌々月までの4か月、多胎は出産予定月の3か月前から翌々月までの6か月として示した表

出所:江東区「産前産後期間の国民健康保険料の減額」、世田谷区「産前産後期間の国民健康保険料免除について」を参考にLIMO編集部作成

3.1 対象は、国民健康保険に加入していて妊娠85日以上で出産する人

減額の対象になる出産は、妊娠85日以上の分娩です。死産や流産、早産、人工妊娠中絶の場合も含まれます。

3.2 単胎は出産予定月の前月から翌々月まで、多胎は3か月前から翌々月まで

減額される期間は、単胎の場合、出産予定月(または出産月)の前月から翌々月までの4か月です。双子などの多胎の場合は、出産予定月の3か月前から翌々月までの6か月になります。

3.3 減額されるのは出産する本人の所得割額と均等割額

江東区の案内では、その年度に納める保険料の所得割額と均等割額から、減額の対象期間のうちその年度に属する月の分を減額するとしています。対象期間が3月と4月にまたがるときは、2つの年度に分けて減額されることになります。

4. 人口動態統計速報、2026年1月から7月の出生数は40万4547人

国民健康保険の産前産後期間の減額は、出産する人すべてに関わる制度ではありませんが、毎月多くの人が出産を迎えています。厚生労働省の人口動態統計速報(2026年7月分)で、出生数の動きを確認します。

2026年1月から7月までの出生数は、前年同期を1852人上回りました2/2

人口動態統計速報の出生数を、2026年7月、1月から7月の累計、過去1年間の3つの期間で前年と比べた表

出所:厚生労働省「人口動態統計速報(令和8(2026)年7月分)」をもとにLIMO編集部作成

4.1 7月の出生数は6万2479人で、前年同月より936人少ない

2026年7月の出生数は6万2479人でした。前年の7月は6万3415人で、936人(1.5%)減っています。

  • 2026年7月:6万2479人(前年同月6万3415人、936人減)
  • 2026年1月〜7月の累計:40万4547人(前年同期40万2695人、1852人増)
  • 過去1年間(2025年8月〜2026年7月):70万7661人(前年70万8378人、717人減)

4.2 速報の数値には、日本で生まれた外国人の子どもなども含まれる

人口動態統計速報の数値は、日本における日本人に加え、日本における外国人、外国における日本人なども含みます。日本における日本人だけをまとめた人口動態統計月報(概数)とは、数値が異なります。

国民健康保険に加入している人が出産するときは、出産予定月の前月から4か月分、多胎なら6か月分、本人の所得割額と均等割額が減額されます。2026年は1月から7月までに40万4547人が生まれ、前年同期を上回りました。

減額を受けるには届出がいります。届出の方法や窓口は、お住まいの市区町村の国民健康保険の案内ページで確かめられます。

ここからは、届出の時期と必要な書類、減額される保険料の目安を、ファイナンシャル・プランナーの立場から見ていきます。

村岸 理美

今回の制度で注目していただきたいのは、減額されるのが出産する本人の所得割と均等割で、期間が月単位で決まっている点です。国民健康保険料は年度ごとに計算されますので、出産予定月から対象の月を数え、年度をまたぐかどうかもあわせて確かめておくことが大切です。