3. 2023年で終わった旧ジュニアNISAとは、払い出しの扱いが違う
子ども向けの非課税制度には、以前にもジュニアNISAがありました。新しい未成年つみたて投資枠と比べると、払い出しの考え方に違いがあります。
3.1 旧ジュニアNISAは、2024年以降は年齢や事由に関係なく払い出せる
金融庁によると、ジュニアNISAはつみたてNISA・一般NISAと同様に2023年で制度が終了しました。2023年までに投資した商品は、非課税期間(5年)が終わると継続管理勘定に移され、18歳になるまで非課税で持ち続けられます。
そのうえで、2024年以降は、ジュニアNISA口座で保有している株式や投資信託等と金銭の全額について、年齢や事由に関係なく非課税での払い出しができるとされています。
3.2 未成年つみたて投資枠では、教育費・生活費という使い道が要件になる
これに対して未成年つみたて投資枠では、基準年の前年12月31日まで払い出しが制限され、12歳以降の払い出しも子どもの教育費または生活費に充てるためのものに限られます。
旧ジュニアNISAの口座が手元に残っている家庭では、同じ「子どものNISA」でも、旧制度の口座と新しい枠とで払い出しのルールが異なる点を分けて考えておく必要があります。
4. 未成年つみたて投資枠は、18歳で成人の新NISAのつみたて投資枠へ移る
子どもが18歳になったあと、積み立ててきた資産がどう扱われるのかも確かめておきます。
4.1 18歳になると、成人のつみたて投資枠へ自動的に移行する
財務省と金融庁の資料では、0〜17歳のつみたて投資枠は、18歳以上になると成人のつみたて投資枠へ「自動的に移行」すると示されています。18歳以上になれば、成長投資枠も使えるようになります。
4.2 制度の目的は、大学進学など成人後の必要資金への備え
財務省は、この拡充のねらいを、長期・安定的な投資を通じて、大学進学等の成人後のライフイベントに伴う必要資金を備えられるようにすることだと説明しています。
12歳以降に払い出せる仕組みはあるものの、制度の前提は長く持ち続けることです。中学や高校の入学費用のように、時期と金額がはっきりしている支出に充てるのか、大学以降に備えるのかで、積み立ての始め方の考え方も変わってくるように思います。
5. 子どもの名義で新NISAの積み立てを始める前に押さえたい注意点
未成年つみたて投資枠も、新NISAのつみたて投資枠と同じく投資です。始める前に、制度の性質を確認しておきます。
5.1 元本割れの可能性があり、NISA口座の損失は損益通算できない
投資信託は値動きがあるため、元本を下回ることがあります。NISA口座で生じた損失は、ほかの口座の利益と損益通算することも、繰越控除することもできません。
5.2 NISAに掛金の所得控除はなく、非課税になるのは運用益
NISAで非課税になるのは、配当や売却益といった運用益です。iDeCoのように掛金を所得から差し引ける仕組みはありません。
払い出しに制限がある以上、急に必要になったお金をここから出すことはできません。生活費の備えとは分けて、使える時期が先になってもよいお金で積み立てるという考え方もあります。
6. まとめにかえて
令和8年度税制改正で新NISAの口座開設可能年齢の下限が撤廃され、2027年(令和9年)1月1日から0〜17歳も未成年つみたて投資枠を使えるようになります。年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円です。
払い出しは基準年(3月31日に18歳である年)の前年12月31日まで制限され、3月31日に12歳である年以降は、子どもの教育費や生活費に充てる場合に、子の同意を示す書面をそろえて申し出ることで払い出せます。18歳になると成人のつみたて投資枠へ自動的に移行します。
具体的な手続きや取り扱い商品は、今後の金融機関の案内で示されます。投資には元本割れの可能性もあるため、家庭の教育費の計画とあわせて、金融機関の説明を受けたうえで進めていただくのが確かです。