子どもの名義で、教育費のために少しずつ積み立てておきたいと考える家庭もあるのではないでしょうか。
令和8年度税制改正で、新NISAの口座を開設できる年齢の下限が撤廃され、2027年(令和9年)1月1日から0〜17歳もつみたて投資枠を使えるようになります。国税庁は、令和8年3月31日に公布された改正法の概要を、令和8年5月に「あらまし」として公表しました。
この記事では、0〜17歳向けのつみたて投資枠の上限額と、払い出しができる時期や条件を、国税庁と財務省・金融庁の資料で確かめます。
1. 2027年スタート!0〜17歳向け「未成年つみたて投資枠」とは?
まず、新NISAの制度のなかで、0〜17歳向けのつみたて投資枠がどう位置づけられるのかを確認します。
1.1 新NISAの「年齢制限」がついに撤廃へ
国税庁のあらましによると、非課税口座の口座開設可能年齢の下限が撤廃され、0〜17歳でも非課税口座につみたて投資枠を設けられることになりました。この0〜17歳を対象とするつみたて投資枠を、国税庁は「未成年つみたて投資枠」と呼んでいます。
適用は令和9年1月1日からです。いまの新NISAは18歳以上が対象で、つみたて投資枠は年120万円、成長投資枠は年240万円、非課税保有限度額は1800万円(うち成長投資枠は1200万円)です。
1.2 未成年つみたて投資枠は、年間60万円・非課税保有限度額600万円
0〜17歳の年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円です。成長投資枠は18歳以上だけが対象で、0〜17歳は使えません。
年60万円は、毎月にならすと5万円です。毎年上限まで積み立てると、10年で非課税保有限度額の600万円に届く計算になります。
1.3 投資できるのは、積立・分散投資に適した一定の公募等株式投資信託
投資対象は、18歳以上のつみたて投資枠と同じく、積立・分散投資に適した一定の公募等株式投資信託です。商品性について内閣総理大臣が告示で定める要件を満たしたものに限られます。
投資の方法も、契約に基づいて定期かつ継続的に買い付ける形です。上場株式を個別に買うことはできません。
2. 「いつでも引き出せる」はウソ?知っておくべき払い出し制限
未成年つみたて投資枠では、18歳以上の新NISAと違い、払い出しに制限があります。国税庁のあらましにある年齢の数え方と、払い出せる場合を見ていきます。
2.1 誕生日は関係ない?「3月31日時点」の基準年ルール
国税庁は、口座を開設した子どもがその年の3月31日に18歳である年を「基準年」としています。配当や売却代金は、基準年の前年12月31日までは「特定課税未成年者口座」で管理しなければならないとされています。
特定課税未成年者口座とは、NISA口座を開設している金融機関の営業所に開設した預貯金口座や、預り金を管理するための口座のことです。
2.2 3月31日に12歳である年の前年までは、災害等のやむを得ない事由に制限
その年の3月31日に12歳である年を、国税庁は「特定基準年」としています。特定基準年の前年までに払い出せるのは、災害等のやむを得ない事由(税務署長の確認を受けた場合に限る)による全ての資産の払出しと、上場廃止事由による払出しです。
2.3 特定基準年以降は、子どもの教育費や生活費に充てるための払い出しもできる
特定基準年以後は、上の払出しに加えて、払出しの基因となる事由など一定の事項を記載した書類を金融機関に出せば払い出せます。事由は、口座を開設した子どもの教育費または生活費の支払に充てるためのものに限られます。
財務省の資料では、資金の使途が子のためのものであり、子が払出しに同意したことを示す書面とともに、親権者等(口座管理者)が申出書を金融機関に提出するとしています。
未成年つみたて投資枠から払い出せる時期と条件2/2
出所:国税庁「個人の方が株式等や土地・建物等を譲渡した場合の改正のあらまし(令和8年5月)」、財務省「NISAのつみたて投資枠の拡充(令和8年度改正)」を参考にLIMO編集部作成
2027年1月から始まる未成年つみたて投資枠は、年60万円・非課税保有限度額600万円で、0〜17歳が使えます。払い出しは、3月31日に12歳である年から、子どもの教育費や生活費に充てる場合に、子の同意を示す書面をそろえて申し出る形です。
口座を開く金融機関の取り扱い商品や申込みの開始時期は、各金融機関の案内で確かめられます。
ここからは、2023年で終わった旧ジュニアNISAとの違いと、18歳になったあとの扱い、積み立てを始める前に押さえておきたい注意点を見ていきます。
未成年つみたて投資枠の年齢は、誕生日ではなく「その年の3月31日」で数えます。
生まれ月によって、払い出せるようになる年が誕生日の年とずれることがあります。子どもの生年月日と照らし合わせておくと、あとの見通しが立てやすくなります。
