それによると、男女の25-29歳層いずれでも「労働時間(残業を含む)が長い」が理由の1位でした。一方、2001年の調査では、賃金や労働時間など労働条件の理由は男性で2位、女性では4位でした。

ちなみに、2001年調査での離職理由1位は、男性「仕事が自分に合わない、つまらない」、女性「健康上、家庭の事情・結婚・出産」となっています。

昨今は働き方改革により、世間の流れとしては残業を減らす方向にあります。仕事よりもプライベートに重きを置きたいという気持ちから残業をネガティブに捉えがちなのかもしれませんし、残業が少なくなったとしても日中の仕事負担や仕事の持ち帰りなどに嫌気が差しているのかもしれません。

会社を辞めることが必ずしも悪いわけではありませんが、安易な気持ちで無計画に離職してしまい、後から後悔がないように気をつけたいものです。

転職で収入アップを狙える世代は?

では、転職には希望が持てるのでしょうか? 厚生労働省の「平成30年雇用動向調査結果の概要」によると、2018年1月1日時点の常用労働者数は4970万人おり、そのうち転職入職者は495万5000人と約10%という結果でした。この転職入職者で、前職よりも収入が上がった人は37%、下がった人は34%、変わらない人は27%となっています。

年代別では、「19歳以下」や「20~24歳」の若い世代では、約半数の人が転職することにより収入を増やすことができており、それ以降「45歳〜49歳」までは増加の方が減少を上回っています。

一方「50~54歳」以降は転職による収入の減少が増加を上回っており、「60~64歳」の定年退職後の再就職だと思われる年代では7割以上で収入が減少しています。この結果から見ると、転職で年収アップを狙うのであればなるべく若いうちに行動に移すほうがよさそうです。

おわりに

働き方が多様化し、正社員にこだわらない人も増えてきています。しかし、フリーターになることで貧困に陥り、自分の意思に反して、結婚できない、子供を産めないという将来が待っているかもしれません。特に日本は、残念なことですが一度正社員を辞めたら簡単には戻れない環境です。

身体や精神が病むような環境で無理に働き続けるのはおすすめできませんが、衝動的に辞めてしまうのではなく、将来に向けた選択肢についてじっくり考えたうえで次のステップに進むことが大切ではないでしょうか。

LIMO編集部