大切なのは「生活費で使うお金」の口座を1つに絞り込むこと。人によっては、光熱費は**銀行の口座から、新聞購読料は〇〇銀行の口座から、食費は△△銀行の口座から、とあちこちの口座から引き落とされ、何にいくら使ったのかよくわからないという状況に陥っています。

絞り込む基準は「自分にとって便利な金融機関」かどうかでいいでしょう。たとえば、振込手数料が少なくてすむ、金利が他の銀行より良い、家からも会社からも近い、ネットでの口座管理が簡単で扱いやすい、といったように、あくまで「自分にとって便利」な口座を選んでください。

反対に、手数料が高い、引っ越して近くに支店やATMがない金融機関など、メリットもないのになんとなく持っている口座は解約したほうがいいでしょう。

特に、ずいぶん前に作ったきり忘れている口座、いわゆる休眠口座は5年あるいは10年以上出し入れがないまま放置されていると、政府によって公益活動に使われてしまうことがありますから、注意が必要です。1万円以上あれば通知が届くので、知らないうちに消えてしまうことはありませんが、使っていない口座はきちんと解約しておきましょう。

しかし、ただ数を減らせばいいというわけではありません。貯める袋(貯金口座)、使う袋(生活費やローンの口座)、増やす袋(資産運用口座)をきっちり分けましょう。

すると、次のように絞り込まれると思います。

●給与が振り込まれる口座(共働きなら2口座)
●使う口座(生活費やローンの支払い:毎月一定額を補充する)
●貯める口座(貯金用:毎月一定額を貯める)
●増やす口座(資産運用・証券口座:毎月一定額を運用する)

もちろん、子どもの学費の指定口座が他の銀行だったり、と例外はありますが、なるべくシンプルにすることが最大のポイント。各家庭で話し合いながら、絞り込んでいきましょう。

クレジットカードは一本化するほうが得

次のステップは、クレジットカードを確認&厳選すること。

最近はクレジットカードごとのポイント制度や割引システムがますます発達しているため、何枚も持っているという方が多いでしょう。このクレジットカードの複数持ちも、ごちゃごちゃ家計の元凶。理想は、カードは1人1枚のみ!です。

まずはご家庭でどれくらいクレジットカードを持っているか、確認してください。たとえば、年会費無料キャンペーンで作ったけれど実際には使っていないカードや、スーパーのポイントがたまると思って作ったけれどお店が移転して使っていないというカードなどはありませんか?

以前は年会費無料だったのに、いつの間にか年会費を引かれるようになっていて、気づかずに数年間も支払い続けていたというケースも多いのでご注意を。

持っているクレジットカードを確認できたら、絞り込みに移りましょう。自分にとって、もっともメリットの多いカード、便利なカードを残せばOK。カードの還元率や、年間手数料の有無などさまざまな基準がありますね。海外でもよく使うという方は、現地でも使い勝手のよいクレジットブランドがおすすめです。

気をつけたいのが、「おトク」につられてクレジットカードを複数枚使い分けること。たとえば、ネットショップAで購入するとポイントがたまるAカード、BデパートでポイントがたまるBカード。Cスーパーでの買い物が毎回割引になるCカード……と何枚も使い分けている方がいます。

一見おトクなように感じますが、食費や日用品費の集計がめんどうになり、結局出費を把握できなくなります。また、食費や光熱費、通信費をすべて別々のカードで支払っているので、総計がわからなくなっていたりする人も。結局バラバラなので、家計混乱の元。クレジットカードは一本化するほうが長い目で見ればおトクなのです。

お金の出口を厳選する

次は、出費について絞り込んでいきましょう。まず、どんなことにお金を支払っているか、思い浮かべてみてください。