「どうしてもお金が貯まらない」、「節約の仕方がわからなくて毎月赤字」といった課題を抱えていても、「どこから手をつけてどう改善すればいいかわからない」というご家庭もあるでしょう。

横山先生ド素人の私に教えてください! これからの「お金」の貯め方&増やし方』などの著書があり、これまでにのべ2万3000人以上もの人々の家計相談を行ってきた横山光昭氏は、「やり方さえ理解すれば、どんな人でも“家計の達人”になれる」と言います。お金を上手く貯められない人の共通点、貯めるためにまず取り掛かるべきことなどを聞きました。

お金の出口が分散しすぎると家計は回らない

がんばっているのになぜかお金が貯まらない、毎月赤字になってしまう……。

そんなお悩みを抱える人々には、実は共通点があります。それは、「お金の流れ」がごちゃごちゃしていること。お給料が入ってくる銀行口座はともかく、光熱費や生活費、教育費、住宅ローンなどの支払い用の銀行口座が複数あり、いつ、どこの銀行口座から、何円の支払いがあるか、まったく把握できていないご家庭がとても多いのです。

ごちゃごちゃしているのは、支払い用の銀行口座だけではありません。貯蓄用の口座や資産運用のための口座が複数あったり、はたまた家族に内緒のへそくり口座があったりします。

その上、クレジットカードも、デパートやスーパー、ネットショップなどのポイントを貯めたいがために複数枚持っていたり、電子マネーもコンビニ系や電鉄系で何枚も持っているという人も多いのです。

このように、お金の出口が分散しすぎると、全体像が見えなくなるため、家計は必ずと言っていいほど、うまく回りません。ですが逆に、複雑に絡み合った「家計の混乱」をうまくほどいて、シンプルにすることで、お金はきちんと貯められるようになります。

今回は、ごちゃごちゃになった家計をシンプルにする方法を1つずつお話しします。

まずはごちゃごちゃ家計がどんなものか、たとえば、共働きのご夫婦のケースを見てみましょう。

1つの家計に、銀行口座が5つ、信用金庫の口座が2つ、証券口座が1つ、計8つもありますね。クレジットカードは4枚なので少ないほう。下ろした現金を別の口座に振り込んだり、貯金用の口座から足りないときはその都度引き出したり、と大混乱! 夫も妻もお互いのお金の出入りを把握できていません。

非常に複雑に入り組んだ家計ですが、これをうまくほどいてシンプルにすると、次のようなスッキリ家計になります。引き落としされる銀行口座やクレジットカードを目的別に絞り込むことで、お互いに夫婦で把握&管理できるようになるのです。

銀行口座は4つに絞り込む!

スッキリ家計にするためにまず、最初にやっていただきたいのが、銀行口座の確認と絞り込みです。