5. 【FPの視点】子どもが公務員を目指すとき、家計の目線で知っておきたいこと

「公務員は安定している」というイメージは根強いものの、実際の収入は採用される自治体や年齢、手当によって変わります。家計の目線で、数字の見方を整理しておきましょう。

5.1 初任給と給与月額は、どちらもボーナスを含まない

初任給基準額は給料だけの額で、地域手当などの手当は含まれていません。年齢別の平均給与月額は手当を含みますが、期末手当・勤勉手当(ボーナス)は含まれていません。

リスクモンスターの調査では、子や孫に稼いでほしい最低年収として「500万円以上」を挙げた人が55.8%でした。年収と比べるときは、月々の給与にボーナスを足して考える必要があります。

5.2 勤務地や働き方によって手当は変わる

同じ給料でも、勤務地の地域手当や時間外勤務の多さによって、毎月の給与月額は変わります。異動で勤務地が変われば、手当の額も変わることがあります。

また、額面が増えれば、共済組合の掛金や税金も増える方向に動きます。手取りで考えるときは、額面の増え方と同じ幅では増えないことも押さえておきたいところです。

5.3 60歳以降の収入の変化も、長い目で見ておく

一般行政職の平均給与月額は、56歳〜59歳の51万4380円から、60歳〜63歳では33万3999円に下がっていました。定年が段階的に引き上げられるなか、60歳以降も働き続ける場合の収入は、それまでと同じではありません。

子どもの就職はまだ先でも、親自身の老後資金と同じように、収入が変わる時期を早めに知っておくと計画を立てやすくなります。60歳以降の給与の扱いは自治体の規程によるため、具体的には勤務先の給与担当に確かめるのが確実です。

6. まとめにかえて

子や孫に勤めてほしい勤め先では、地方公務員が11.4%で1位、国家公務員が11.3%で2位でした。重視されているのは「経営が安定している」ことと「過重労働・ハラスメントがない」ことです。

実際の地方公務員の初任給基準額は、一般行政職の大学卒・試験採用で、都道府県が22万5694円と最も高く、ほかの団体区分も22万円台でした。令和6年度には13万5404人が採用され、そのうち47.0%が20歳〜24歳です。

年齢別の平均給与月額は、20歳〜23歳の27万1095円から、56歳〜59歳の51万4380円まで上がっていきます。子どもや孫の進路を考えるときは、勤め先のイメージだけでなく、こうした給与の数字もあわせて確かめておくと参考になります。

参考資料

村岸 理美