子供との時間をたくさん持てるようにと駄菓子屋を始めたねこねこむさん。毎日、帰宅した小学校3年生の長女と幼稚園年少組の次女が帰宅した後は、子どもたちの面倒を見ながら店番をしています。
長女と次女が帰る時間は、当然よそのおうちの子たちも家に帰ってくる時間。店内には、お客さんとしてやってくる子どもの姿も目立つようになります。大抵の場合は、お会計を済ませたらそのままお店を出ていきますが、なかには「入っていい?」と、隣の居住スペースに上がり込もうとする子も…。知らない子なので戸惑いますし、かといって、子どもとはいえ、一応お客様なので怒るわけにもいきません。
レジに立っていると、今日もひとりの子が、「入っていい?」と聞いてきました。「え?なんで部屋に入ろうと思うんだろう?うちが駄菓子屋だから?」と思ったねこねこむさんですが、よくよく考えてみると、駄菓子屋を始める前にも、知らない子たちが何度かインターホンに映っていたりしたこともあれば、『突然家に入ってきた知らない子』が居たことを思い出しました。
それは、まだ長女が幼稚園だったころのことです。休みの日に家でくつろいでいたところ、突然インターフォンがなりました。「宅配便かな?」とドアを開けると、そこには長女と同じぐらいか、もう少し年上の、見覚えのない男の子が立っています。「だ、誰?」と、親子ともども固まりますが、その男の子は、微妙な空気も何のその、「中に入っていいですか?」とにこにこ顔。
知らない子を家に入れるのには抵抗があります。が、相手はよそ様の子。非礼を注意していいものかどうか…。強く拒否ができないでいると、男の子は「じゃ、お邪魔します!」と、実に慣れた様子で、靴を脱ぎ、家の中に上がり込んできてしまいました。圧倒されるねこねこむさん親子を尻目に、ドアというドアをすべて開けまくり、冷蔵庫の中身もしっかりチェックする男の子。
家の中をひととおり探索し終わったあとは、リビングに陣取り「喉乾いた。ジュースありますか?」「おやつはないの?」などと聞いてきます。「アレルギーがあったりすると困るから、よく知らない子に簡単にお菓子やジュースはあげられないしな…。」とぐるぐる思いを巡らせながら、「...ないよ。」と伝えると、「あ、じゃお茶でもいいです。ボクんちには、ちゃんとジュースもお菓子もあるけどねー。」と、これまた言いたい放題。
気が付けば夕方。「帰ってくれないかなあ」と思いつつ、「おうちの人、心配するよ。」と、男の子に帰宅を促してみますが、「遊びに行くって言ってきたから大丈夫だよ!」という返答。「ああ、でももう5時だしさ。」と、時間を強調してみますが、「ボクんちは、6時まで遊んでも大丈夫なんだ!」と、気にする様子がありません。
結局なんだかんだで、男の子は自分の門限ギリギリまで居座り、ようやく帰っていきました…。
「あのときは、本当に驚いたなあ。」と、しみじみ振り返るねこねこむさん。目の前には、「ねえねえ、入ってもいい?」と、先ほどの子が、目をキラキラさせながら、返事を待っています。そこで、にっこり笑って一言。
「ううん、ダメ。」
断られ慣れているのか、その子は「あっそ」と一言だけ言うと、気にする様子もなくアッサリ帰っていきました。
「その一件以来、学習した。」というねこねこむさん。よそ様の子だからと、断るのを躊躇したり我慢したりしてしまうことは数多くありますが、常識で考えてさすがにおかしいな、と思うような行動をする子にはむしろ遠慮せずに、はっきりこちらの意思を言ったほうが正しく伝わり、結果として悩まず上手に回避することができるのだそうです。駄菓子屋さんの育児日記の第12話もお楽しみに!
【マンガ記事】駄菓子屋さんの育児日記!
お子さんとの時間を増やしたいという思いから駄菓子屋を始めたママ、ねこねこむさんと2人のお子さんの育児日記。珍事件続出の駄菓子屋ねこねこむさんの育児は、笑いあり涙あり、でもやっぱり笑っちゃう毎日です。
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