4. 転職を機に考える、家計を整える3つのポイント
企業側の姿勢として、今後3年間に「転職者を採用する予定がある」と答えた事業所の割合は63.6%にのぼり、中途採用市場は引き続き活発です。もし今後転職を検討される場合は、やりがいや働きやすさに加え、以下の3つのポイントでお金と家計を見直すことをおすすめします。
4.1 額面ではなく「手取り額」でシミュレーションする
求人票に記載されているのは「額面(税金などが引かれる前の総額)」です。そこから所得税や住民税、社会保険料などが引かれた「手取り額(実際に口座に振り込まれる金額)」がいくらになるのかを必ず計算し、毎月の生活費が無理なく賄えるかを確認しましょう。
4.2 隠れたお金「福利厚生」をチェックする
基本給が同じでも、住宅手当(家賃補助)や家族手当、退職金制度の有無によって、将来にわたって受け取れるお金は数百万円単位で変わることがあります。目先の給与だけでなく、会社独自の補助制度まで含めて総合的に比較することが大切です。
4.3 「時間のゆとり」を家計のプラスと捉える
男女別のデータでも見られたように、通勤時間が短縮されたり、リモートワークが可能になったりすることで、心身の負担が大きく減ります。それに伴い、外食費や被服費、さらには医療費などが抑えられるなど、目に見えない家計のプラス効果が生まれることがあります。時間的なゆとりは、長く健康に働き続けるための大切な資産です。
5. まとめにかえて
今回は、最新の厚生労働省の統計から、賃金の動向と男女別の転職者の実態について解説しました。2026年7月の実質賃金は7カ月連続でプラスとなる一方、転職者が前の職場を辞めた理由には男女で異なる背景があり、転職後も「賃金」に対する満足度が最も低いという結果でした。国全体での賃上げの流れを、一人ひとりが日々の生活のなかで実感できるようになるには、まだ少し時間がかかるのかもしれません。
働く上で何を一番大切にするかは、ご家庭の事情やライフステージによって大きく異なります。無理に周囲のペースや平均値に合わせるのではなく、ご自身の心と生活のバランスが最も整う働き方を選ぶことが、豊かな人生への第一歩だと考えています。
参考資料
村岸 理美