国や企業に頼れる時代は終わった…これからの老後格差は何で決まる?

老後2000万円問題を考える

6月に「老後資金2000万円」というフレーズが様々なメディアでも取り上げられました。

これは、6月3日に公表された「高齢社会における資産形成・管理」という報告書※の中で、夫が65歳以上、妻60歳以上の無職世帯が年金で暮らす場合、毎月約5万円赤字となっており、自身の保有する金融資産から補填しているという実態から、30年間生きると仮定すると、約2000万円が不足するという計算を示したものです。

※金融審議会「市場ワーキング・グループ」(金融庁)による

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公的年金、退職金、企業年金への不安がいよいよ高まる

そもそも、この報告書で使用しているデータは、2017年の総務省家計調査に記載されているものなので、最近明らかになったものではありません。公的年金についての問題もこれまで様々論じられてきているので、なぜこのタイミングで?と思われた方も多いのではないかと思います。

おそらくは、「2000万円」という数字のインパクトや、多くの方が抱いている社会に対する不安・不満が今回の話題に繋がったのでしょう。しかし、大事なのは、こういった問題を機に、現状の経済や社会情勢の中で、自分自身の将来のためにどういった準備が必要なのかを整理し、考え、実行することです。

2018年の平均寿命は男性81.25歳、女性87.32歳と過去最高を更新しています。現在60歳の人の約4分の1が95歳まで生きるという試算もあり、まさに「人生100年時代」へ向かっているといえるでしょう。

また、ライフスタイルの多様化に伴って、未婚率が上昇し、夫婦のみの世帯の割合が増えてきています。結婚後、子どもを産み、持ち家で親と同居、老後の親の世話は子どもがみてくれるというような、かつては標準的と考えられてきたモデル世帯は今や少数派でしょう。

企業に目を向けても、退職金給付制度がある企業の全体の割合は徐々に低下しており、2018年では、約80%となっています。これの割合は企業規模が小さくなるにつれて小さくなります。

退職給付金額についても、ピーク時から約3~4割減少しているというデータも出ています。企業でも退職金の積み立て及び運用のリスクを取れなくなってきており、確定拠出年金を導入する企業も増えてきています。

このように、まさしく自分の老後は自分で支えるという時代になってきているといえるでしょう。

老後に向けてどのような対策をとればいいのか?

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渡邊 裕介

株式会社N&Bファイナンシャル・コンサルティング 執行役員
2003年慶應義塾大学環境情報学部卒。
大学卒業後、飲食の店舗マネージメントに携わる。社会人生活や、店舗経営にはおカネの知識が必須であり、自身のおカネの知識のなさを痛感したことをきっかけにファイナンシャルプランナーに転身。国内大手生命保険会社のFP部門にて、個人の貯蓄計画や住宅購入・ローン借り換え相談、教育費準備などを中心に、企業の従業員向けのFPセミナーなども行う。2010年より、チームマネージメントや採用、新人教育などに携わり、育成にかかわったFPは200名を超える。
2018年独立し、ファイナンシャルプランナーとして、個人や中小企業のマネーコンサルティングを行う。
敬遠しがちなお金の話を、お客さま目線で分かりやすく伝えることをモットーに、ひとりでも多くの方の人生をモチベートできるように日々活動しています。