2026年10月、パート・アルバイトなどの社会保険加入に関する賃金要件が撤廃されます。
加入すると給与から保険料が引かれるようになりますが、家計への影響は、それまでどの保険に入り、いくら払っていたかによって変わります。
本記事では、加入前後の保険料を比べながら、将来の年金などへの保障がどう変わるのかを確認していきましょう。
社会保険に入ると聞いて、まず手取りが気になる方も多いでしょう。ただ、給与から引かれる金額だけでは、家計への影響は分かりません。配偶者の扶養に入っていた方と、国民年金・国民健康保険を払っていた方では、負担の変わり方が違います。まずは、ご自身の加入前の状況から確かめてみてください。
今回なくなるのは、「所定内賃金が月額8万8000円以上」という要件です。企業規模などの条件は残るため、週20時間以上働く人が全員、一律に新しく加入するわけではありません。
1. 【試算】加入後の保険料は月いくらになる?
まずは、加入後にどのくらいの保険料を負担するのかを見ていきましょう。
試算するのは、20歳以上40歳未満で、賞与や通勤手当などがなく、毎月の報酬が年収の12分の1となるケースです。加入要件を満たしていることを前提に、2026年度の料率を12カ月分に当てはめます。
1.1 保険料は勤務先と折半。本人負担率の合計は14.215%
勤務先の社会保険では、厚生年金保険料や健康保険料、子ども・子育て支援金を、原則として勤務先と本人が半分ずつ負担します。これを「労使折半」といいます。
公表されている保険料率の全額を、自分だけで負担するわけではありません。協会けんぽの全国平均の健康保険料率を使うと、本人負担は次のようになります。
- 厚生年金保険料:18.3%の半分で、本人負担は9.15%
- 健康保険料:全国平均9.90%の半分で、本人負担は4.95%
- 子ども・子育て支援金:0.23%の半分で、本人負担は0.115%
- 本人負担率の合計:14.215%
健康保険料率は都道府県支部によって異なるため、全国平均がそのまま個人に適用されるわけではありません。また、40歳以上65歳未満では、原則として介護保険料率1.62%の半分に当たる0.81%も本人負担に加わります。
もう一つ押さえておきたいのが、計算に使う金額です。保険料は給与そのものではなく、報酬を一定の幅で区分した「標準報酬月額」に料率をかけて求めます。
今回の条件では、月収10万円なら標準報酬月額は9万8000円、月収12万5000円なら12万6000円です。この金額に本人負担率をかけて、毎月の保険料を計算していきます。
1.2 年収120万円・150万円の場合
全国平均の料率を当てはめた結果は、次のとおりです。
年収120万円
本人負担は月約1万3931円(年約16万7168円)。これらの保険料を差し引いた年額は約103万2832円。
年収150万円
本人負担は月約1万7911円(年約21万4931円)。これらの保険料を差し引いた年額は約128万5069円。
※筆者試算。月額・年額は、それぞれ端数処理前の数値から四捨五入しています。実際の給与計算における端数処理とは異なる場合があります。
月に約1万4000円、あるいは約1万8000円と聞くと、家計への影響も具体的に感じられるのではないでしょうか。
ただし、ここでは所得税、住民税、雇用保険料などを差し引いていません。上記の金額は、実際の手取り額とは異なります。
また、これらの年収で週20時間以上働けるかは、勤務先に適用される最低賃金や勤務条件によって変わります。
