係長になると給与はどのくらいになるのか、自分の給与は係長級の中で高いほうなのか、気になる方もいるのではないでしょうか。

厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査には、平均額だけでなく、所定内給与額の分布を示す統計表もあります。係長級の給与を低い順に並べたときの真ん中の額や、上位・下位の1割の境目が分かります。

この記事では、役職別の給与の水準を確認したうえで、係長級の給与の分布と、非役職・課長級との重なりを見ていきます。

1. 部長級・課長級・係長級・非役職の所定内給与額と年収の目安

まずは令和7年賃金構造基本統計調査で、役職ごとの給与の水準を確かめておきます。

役職別の集計は、一般労働者のうち雇用期間の定めがない人が対象です。ここでは企業規模計(常用労働者10人以上)・男女計・学歴計の数字を使います。

1.1 係長級の所定内給与額は月39万9200円

所定内給与額は、毎月きまって支給される給与から、時間外勤務手当などの超過労働給与額を差し引いた額です。令和7年6月分として支給された額が集計されています。

役職別の所定内給与額は次のとおりでした。

  • 部長級:63万5800円
  • 課長級:52万9200円
  • 係長級:39万9200円
  • 非役職:31万500円

係長級の平均年齢は45.4歳、平均勤続年数は17.5年です。係長級と非役職の差は月8万8700円、課長級と係長級の差は月13万円でした。

1.2 年間賞与を足した年収の目安は係長級で630万2500円

同じ調査には、年間賞与その他特別給与額も役職別に載っています。こちらは原則として令和6年1月から12月までの1年間に支給された額で、係長級は151万2100円でした。

所定内給与額の12か月分に年間賞与その他特別給与額を足すと、年収の目安は次のようになります。

  • 部長級:1007万6200円
  • 課長級:854万2300円
  • 係長級:630万2500円
  • 非役職:459万2400円

所定内給与額と賞与では対象の期間が違うため、この年収は概算として見ておきます。

安達さやか
安達 さやか
所定内給与額には残業代が入っていない点を、もう少し補足します。超過実労働時間数は、部長級が月2時間、課長級が月4時間、非役職が月12時間で、係長級の月15時間が役職の中で最も長くなっています。そのぶん残業代を含むきまって支給する現金給与額で比べると、課長級が月54万4100円、係長級が月44万5400円となり、その差は月9万8700円です。所定内給与額での差は月13万円でしたから、残業代まで含めると差は縮みます。自分の給与と並べるときは、どちらの額で比べているかを先に決めておくと整理しやすくなります。

令和7年賃金構造基本統計調査による役職別の所定内給与額・年間賞与その他特別給与額・年収の目安(企業規模計)1/2

部長級・課長級・係長級・非役職の所定内給与額、年間賞与その他特別給与額、年収の目安を並べた表

出所:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 役職」を参考にLIMO編集部作成

2. 係長級の所定内給与額の中位数は月37万2000円

平均額は、一部の高い給与に引き上げられることがあります。係長級の給与の分布は、統計表「役職、所定内給与額階級別労働者数及び所定内給与額の分布特性値」で確かめられます。

2.1 係長級の半数は所定内給与額が月37万2000円以下

中位数は、給与を低い順に並べたときにちょうど真ん中にくる人の額です。係長級の所定内給与額の中位数は月37万2000円でした。

平均の月39万9200円と比べると、中位数は2万7200円低くなっています。係長級の半数は、所定内給与額が月37万2000円以下ということです。

2.2 係長級の下位1割は月27万5800円以下、上位1割は月53万9900円以上

低いほうから1割にあたる境目の額を第1・十分位数、上から1割にあたる境目の額を第9・十分位数といいます。係長級では、第1・十分位数が月27万5800円、第9・十分位数が月53万9900円でした。

低いほうから4分の1の境目である第1・四分位数は月31万9600円、上から4分の1の境目である第3・四分位数は月44万4000円です。係長級の真ん中の半数は、この間に入ります。

2.3 係長級の4割強は所定内給与額が月30万円台

所定内給与額の階級別に労働者数を見ると、月30万円以上40万円未満の係長級は70万2410人でした。係長級161万7180人のうち43.4%にあたります。

3. 係長級の所定内給与額は非役職・課長級と重なっている

役職が上がると給与の水準は上がりますが、分布で見ると役職どうしの給与ははっきり分かれていません。係長級の境目の額を、非役職と課長級の分布に当てはめてみます。

3.1 非役職の上位1割は係長級の中位数より高い

非役職の所定内給与額は、中位数が月28万3000円、第9・十分位数が月43万8600円でした。

非役職の上位1割は月43万8600円以上なので、係長級の中位数である月37万2000円を上回ります。

3.2 係長級の下位1割は非役職の中位数を下回る

係長級の第1・十分位数は月27万5800円で、非役職の中位数の月28万3000円より7200円低くなっています。

係長級でも、下位1割は非役職の真ん中の人より所定内給与額が低いことになります。

3.3 課長級の下位1割は係長級の中位数より低い

課長級の所定内給与額は、第1・十分位数が月33万3500円、中位数が月49万1400円、第9・十分位数が月76万6200円でした。

課長級の下位1割は係長級の中位数より低く、係長級の上位1割の月53万9900円以上は課長級の中位数を上回ります。

課長級・係長級・非役職の所定内給与額(月額)の分布特性値2/2

課長級・係長級・非役職の所定内給与額について、第1・十分位数、第1・四分位数、中位数、第3・四分位数、第9・十分位数を横に並べた図

出所:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 役職」を参考にLIMO編集部作成

【課長級】

  • 第1・十分位数:33万3500円
  • 第1・四分位数:40万2800円
  • 中位数:49万1400円
  • 第3・四分位数:61万3400円
  • 第9・十分位数:76万6200円

【係長級】

  • 第1・十分位数:27万5800円
  • 第1・四分位数:31万9600円
  • 中位数:37万2000円
  • 第3・四分位数:44万4000円
  • 第9・十分位数:53万9900円

【非役職】

  • 第1・十分位数:20万3400円
  • 第1・四分位数:23万7100円
  • 中位数:28万3000円
  • 第3・四分位数:34万8300円
  • 第9・十分位数:43万8600円
安達さやか
安達 さやか
分布が重なる背景として、あわせて見ておきたい数字があります。平均年齢と平均勤続年数です。係長級は45.4歳・勤続17.5年、課長級は49.5歳・勤続20.9年、非役職は41.8歳・勤続10.8年でした。役職が上がるほど年齢も勤続年数も長くなりますが、非役職には勤続が短い人から長い人まで幅広く含まれています。役職ごとの分布は、年齢や勤続年数の構成が違う集団どうしを並べたものです。この記事の境目の額を自分に当てはめるときも、同じ年代の人と比べているわけではない点は頭に置いておきたいところです。

係長級の所定内給与額は、平均で月39万9200円、中位数で月37万2000円でした。下位1割と上位1割の境目は月27万5800円と月53万9900円で、非役職や課長級の分布とも重なっています。

自分の位置を知りたいときは、給与明細の基本給と手当の合計から残業代を除いた額を、これらの境目の額と並べてみてはいかがでしょうか。

ここからは、係長級の給与の広がりが役職の中でどのくらいかと、分布の数字を自分の給与に当てはめるときの手順を見ていきます。