4. 後期高齢者医療の保険料が年金から天引きされる3つの条件

後期高齢者医療の被保険者でも、全員が年金から天引きされるわけではありません。特別徴収の対象になるかどうかは、年金の額と保険料の額で決まります。

4.1 年金額が年18万円以上であること

横浜市の案内では、特別徴収の条件として次の3つを挙げています。

  • 年額18万円以上の年金を受給していること
  • 介護保険料を特別徴収で納めていること
  • 後期高齢者医療の保険料と介護保険料の合計額が、特別徴収の対象となる年金額の2分の1以下であること

4.2 条件を満たさない人は口座振替か納付書で納める

年金額が年18万円に届かない人や、保険料の合計が年金額の2分の1を超える人は、普通徴収で納めます。

天引きされていないからといって、保険料がかかっていないわけではありません。納付書が届いていないか、郵便物を確かめておきましょう。

5. 10月の年金振込通知書と後期高齢者医療の保険料の通知書を並べて確かめる

本徴収の額が正しいかどうかは、2種類の書類を見比べると分かります。

5.1 年間の保険料額の通知は7月中旬以降に届く

横浜市では、毎年7月中旬以降に年間の保険料額を知らせる通知書を送るとしています。通知書には、仮徴収の額と本徴収の額が分けて書かれています。

5.2 年金振込通知書は特別徴収額が変わる人に改めて届く

日本年金機構によると、市区町村が決めたその年の保険料額は、10月の年金支払分からの特別徴収額に反映されるしくみです。

そのため8月ごろに届く年金振込通知書では、10月以降の支払額が「*」で表示されています。10月以降の額は、改めて送られる年金振込通知書で確かめられます。

5.3 仮徴収と本徴収の差を小さくする「平準化」

前年度と今年度で保険料が大きく変わると、仮徴収と本徴収の額に差が出ます。

横浜市では、その差が大きくなると見込まれる人について6月・8月の額を調整する「平準化」を行っています。平準化で6月・8月の額が上がっても、そのぶん本徴収の額が下がるため、年間の保険料は変わりません。

6. 【元後期高齢担当の実感】10月は「天引きが急に上がった」という相談が続いた

後期高齢者医療の保険料の計算を担当していた当時、10月の年金支払日を過ぎると窓口の電話が増えました。

6.1 増えた理由の多くは保険料の年度の切り替わりだった

相談の中身を聞いていくと、前年の所得が増えて保険料が上がった人や、保険料率が見直された年度の人が多くいました。仮徴収の3回は前年度の額のままなので、差額が10月からの本徴収にまとめて表れていたのです。

通知書の「本徴収」の欄を一緒に確かめると、納得して電話を切る人がほとんどでした。

6.2 口座振替に変えても年間の保険料は変わらない

天引きではなく口座振替で納めたいという相談もありました。横浜市では、手続きの完了から口座振替に変わるまで2〜3か月程度かかるとしています。

納め方を変えても年間の保険料は同じです。ただ、口座振替にすると家族の口座から納められる場合もあるため、社会保険料控除を誰が受けるかが変わることもあります。変更を考えるときは、お住まいの市区町村の窓口で確かめてから手続きしましょう。

7. まとめ

後期高齢者医療の保険料は、4月・6月・8月の仮徴収と、10月・12月・翌年2月の本徴収に分かれて年金から差し引かれます。

10月に天引きの額が変わるのは、7月に決まった年間保険料との差額が本徴収に回るためです。令和8年度は保険料率が見直された年にあたり、額が変わる人も多いと考えられます。

天引きの額に疑問を感じたら、保険料の通知書と10月の年金振込通知書を並べて確かめ、分からないところはお住まいの市区町村の窓口に相談してみましょう。

参考資料

太田 彩子