和田 直子

75歳は老後家計における最大の転換期です。医療保険自体がガラリと切り替わるため、それまでにはなかった戸惑いが生じやすい節目と言えます。

さらに2026年4月からは「子ども・子育て支援金」の負担も始まっており、これまで以上に事前の情報収集が欠かせません。制度の仕組みを知っておくだけで、心構えも対策も全く変わってきます。まずはご自身やご家族がどのケースに当てはまるのか、この記事で一緒に確認していきましょう。

75歳の誕生日を迎えると、それまで加入していた国民健康保険や会社の健康保険から「後期高齢者医療制度」へと自動的に切り替わります。

この75歳というタイミングは、病院の窓口で支払う医療費の自己負担割合や、毎月納める医療保険料の計算方法が大きく変わる重要な節目です。

特に保険料については、これまでの加入状況によって「負担が軽くなる人」もいれば、「負担が重くなる人」もいます。ご自身のケースがどちらに当てはまるのかを事前に知っておくことは、老後の家計を守るうえで非常に重要です。

さらに、2026年4月からは少子化対策の財源として「子ども・子育て支援金」の負担も始まっていて、制度の変更点が目白押しです。

そこで本記事では、もうすぐ75歳を迎える人に向けて、「医療費の窓口負担」と「保険料」が具体的にどのように変わるのか、そして新しい支援金制度の影響について分かりやすく解説します。

1. 75歳から医療費の窓口負担はどう変わる?「1割・2割・3割」の基準

75歳になり後期高齢者医療制度に移行すると、医療費の窓口負担割合は世帯単位の「前年所得」をもとに判定されるようになります。負担割合は所得に応じて「1割」「2割」「3割」の3つの区分に分かれています。

1.1 後期高齢者医療保険制度の窓口負担割合

  • 3割負担:同一世帯に課税所得145万円以上の被保険者がいる場合(現役並み所得者)
  • 2割負担:「課税所得が28万円以上かつ」これらの合計額要件を満たす場合
    ・単身世帯:年金収入とその他の所得の合計が200万円以上
    ・複数人世帯:年金収入とその他の所得の合計が320万円以上
  • 1割負担:上記のいずれにも該当しない人

以前は原則1割または3割でしたが、2022年10月の制度改正により、新たに「2割負担」の枠組みが設けられました。これにより、一定以上の収入がある方は医療費負担が増加しています。

たとえば、夫が年金収入180万円、妻が年金収入150万円の場合、合計330万円となるため、夫婦ともに2割負担に該当します。現在、後期高齢者のうち約20%がこの2割負担の対象となっています。