原則として75歳以上の人が加入する後期高齢者医療制度では、保険料率が2年に1度見直されます。2026年度と2027年度の水準では、1人あたりの平均保険料額は月7989円となっています。

これは前の2年間の月7411円から578円、率にして7.8パーセントの増加です。

そこで今回は、保険料が見直された背景を確認したうえで、年金収入ごとに負担がどう変わるのかを見ていきます。

1. 後期高齢者医療の保険料を見直す背景

保険料の見直しが続く背景には、医療給付費の増加があります。

75歳以上の人の医療給付費は、本人が納める保険料だけでまかなわれているわけではありません。公費がおよそ5割、現役世代が支払う後期高齢者支援金がおよそ4割、そして本人の保険料がおよそ1割という構成です。

医療給付費が増えれば、現役世代が負担する支援金も増えていきます。そこで、現役世代の負担の伸びと高齢者本人の負担の伸びをそろえる方向で、保険料の見直しが行われてきました。

もう1つ、2026年度からは子ども・子育て支援納付金という新しい区分が加わりました。子育てを社会全体で支える財源として、高齢者を含むすべての世代と企業が拠出するしくみです。

私は自治体で後期高齢者医療の保険料を計算する仕事をしていましたが、窓口では「なぜ2年おきに上がるのか」という質問をよく受けました。2年に1度という周期は、この制度の保険料率が2年単位で決められているためです。

2. 2026年度から保険料が上がった

保険料が上がるとはいえ、加入している人全員が同じだけ増えるわけではありません。見直しの考え方と、年金収入ごとの変化を順に見ていきます。

2.1 保険料見直しの方向性

後期高齢者医療の保険料は、全員が同じ額を負担する均等割額と、所得に応じて決まる所得割額の2つで計算します。全体ではおおよそ均等割が48パーセント、所得割が52パーセントという配分です。

2026年度と2027年度の全国平均の料率は、均等割額が年5万6083円、所得割率が10.17パーセントとなりました。前の2年間は均等割額が年5万389円、所得割率が10.21パーセントでしたので、均等割額が上がり、所得割率はわずかに下がっています。

均等割額は上がり、所得割率はわずかに下がった1/2

均等割額は上がり、所得割率はわずかに下がった

出所:厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和8・9年度の保険料率について」およびe-Gov法令検索「高齢者の医療の確保に関する法律施行令」を参考にLIMO編集部作成

もう1つの変更が賦課限度額です。年間の保険料には上限があり、2026年度は80万円から85万円に引き上げられました。

この上限に達するのは、年金収入だけの人でおよそ1021万円からです。実際に上限を超える人は全体の1.21パーセントと見込まれています。

所得の多い人により多く負担してもらい、中間の層の負担を抑えるという考え方です。均等割額を上げながら所得割率を下げなかった年度と比べると、今回は配分の調整も入っています。