4. 同じ法律にもとづく3つの手当もあわせて確認したい
「特別児童扶養手当等の支給に関する法律」には、特別児童扶養手当のほかに、障害児福祉手当、特別障害者手当、経過的福祉手当が定められています。対象になる年齢と受け取る人がそれぞれ異なります。
図を見ると、20歳未満の子どもの場合は特別児童扶養手当と障害児福祉手当の2つ、20歳以上では特別障害者手当が中心になることが分かります。
4.1 障害児福祉手当は特別児童扶養手当と併給できる
障害児福祉手当については、LIMOの記事「【障害児福祉手当】20歳未満の重度障害児に月1万6560円。対象になる3つの条件と年4回の支給月」から要点を引用して確認しておきましょう。
障害児福祉手当は、20歳未満で重度の障害があり、日常生活で常時介護を必要とする人に支給される国の手当です。令和8年度の月額は1万6560円で、2月・5月・8月・11月に3か月分ずつ振り込まれます。
出所:【障害児福祉手当】20歳未満の重度障害児に月1万6560円。対象になる3つの条件と年4回の支給月
障害児福祉手当は年金ではないため、特別児童扶養手当との併給が可能とされています。両方の要件を満たす場合、年額は次のようになります。
- 特別児童扶養手当1級+障害児福祉手当:70万1400円+19万8720円=年90万120円
- 特別児童扶養手当2級+障害児福祉手当:46万7160円+19万8720円=年66万5880円
ただし、特別児童扶養手当を受けていても障害児福祉手当が自動的に支給されるわけではなく、別に申請が必要です。
4.2 特別障害者手当と経過的福祉手当は20歳以上が対象
20歳以上で著しく重度の障害があり、日常生活で常時特別な介護を必要とする在宅の人には、特別障害者手当(月3万450円)が支給されます。経過的福祉手当は昭和61年当時の福祉手当受給者を対象とした経過措置で、現在は新規の認定は行われていません。
5. 20歳を境に手当はこう切り替わる
特別児童扶養手当と障害児福祉手当は、どちらも子どもが20歳になると終わります。20歳の前後で、受け取れる制度は次のように切り替わります。
- 20歳未満:特別児童扶養手当(父母等が受け取る)、障害児福祉手当(本人が受け取る)
- 20歳以上:特別障害者手当(本人が受け取る)、障害の状態によっては障害基礎年金
20歳を境に、手当を受け取る人が父母等から本人へ移ることも押さえておきたい点です。手当と年金では申請先も判定の仕組みも異なるため、20歳が近づいた段階で、市区町村の窓口や年金事務所に早めに相談しておくと手続きが滞りにくくなります。
5.1 令和8年8月から障害児福祉手当・特別障害者手当の本人の所得制限が変わった
令和8年8月からは、障害児福祉手当・特別障害者手当・経過的福祉手当について、受給資格者本人の所得制限限度額が引き上げられました。扶養親族等0人の場合、改正前の366万1000円から375万8000円になっています。
配偶者や扶養義務者の所得制限限度額には変更がありません。特別児童扶養手当の所得制限限度額(令和3年8月以降適用)とは金額も判定の対象者も異なるため、手当ごとに確認しておきましょう。
6. まとめ
特別児童扶養手当は、障害のある20歳未満の子どもを家庭で育てる父母等に支給される国の手当です。令和8年4月から月額は1級5万8450円、2級3万8930円となり、次回の12月には8月分から11月分の4か月分が支給されます。
障害児福祉手当とは併給でき、両方を受け取ると1級の場合で年90万円を超えます。ただし、どちらも所得制限があり、それぞれ別の申請が必要です。
まずはお住まいの市区町村の窓口で、ご家庭が対象になるか、ほかに使える手当がないかを一度確認してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「特別児童扶養手当・特別障害者手当等」
- 厚生労働省「特別児童扶養手当について」
- 厚生労働省「特別障害者手当について」
- 厚生労働省「障害児福祉手当について」
- 厚生労働省「経過的福祉手当について」
- 大阪市「特別児童扶養手当・特別障がい者手当等の支給額について」
- 板橋区「障がい者手当や医療費助成などの所得制限基準額が変わります」
和田 直子