障害のある子どもを育てる家庭が使える国の手当には、「特別児童扶養手当」「障害児福祉手当」など名前の似た制度がいくつかあり、どれが対象になるのか分かりにくいと感じる方もいるかもしれません。

このうち、障害のある20歳未満の子どもを家庭で育てる父母等に支給されるのが特別児童扶養手当です。令和8年4月から月額は1級5万8450円、2級3万8930円に引き上げられ、次回の12月には8月分から11月分の4か月分がまとめて支給されます。

この記事では、特別児童扶養手当の対象と12月の支給額、所得制限と申請先を整理します。

なお、障害児福祉手当に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。

【障害児福祉手当】20歳未満の重度障害児に月1万6560円。対象になる3つの条件と年4回の支給月
【障害児福祉手当】20歳未満の重度障害児に月1万6560円。対象になる3つの条件と年4回の支給月

1. 12月に支給される「特別児童扶養手当」とは?

特別児童扶養手当は、「特別児童扶養手当等の支給に関する法律」にもとづく国の手当です。精神または身体に障害のある児童について手当を支給し、児童の福祉の増進を図ることを目的としています。

1.1 対象は障害のある20歳未満の子どもを家庭で育てる父母等

厚生労働省の案内では、特別児童扶養手当は「20歳未満で精神又は身体に障害を有する児童を家庭で監護、養育している父母等」に支給されるとされています。

障害のある子ども本人ではなく、子どもを育てている父母等が受け取る手当である点が、障害児福祉手当との大きな違いです。

1.2 障害の程度によって1級と2級に分かれる

手当額は、子どもの障害の程度に応じて1級と2級に分かれます。視覚や聴覚、肢体、内部障害、知的障害、精神の障害などについて、政令で定められた基準をもとに判定されます。

障害者手帳の等級がそのまま1級・2級になるわけではなく、申請時に提出する診断書などをもとに判定される点も押さえておきたいです。

1.3 手当が支給されない場合もある

次のような場合は、特別児童扶養手当は支給されません。

  • 児童や父母等が日本国内に住所を有しないとき
  • 児童が、障害を支給事由とする公的年金を受けることができるとき
  • 児童が児童福祉施設など(通園施設などを除く)に入所しているとき

2. 特別児童扶養手当はいくら?12月の支給額は1級で23万3800円

ここからは、令和8年度の手当額と、12月に振り込まれる金額を確認します。

特別児童扶養手当の支給月と1回あたりの支給額(令和8年度)1/2

特別児童扶養手当の支給月と1回あたりの支給額(令和8年度)

出所:厚生労働省「特別児童扶養手当について」を参考にLIMO編集部作成

図のとおり、特別児童扶養手当は毎月ではなく、4月・8月・12月の年3回に分けて振り込まれます。1回あたりの金額が大きくなる分、入る月と入らない月の差が出やすい手当です。

2.1 令和8年度の月額は1級5万8450円、2級3万8930円

特別児童扶養手当の額は、物価の変動に応じて毎年度改定されます。令和8年4月からの月額は次のとおりです。

  • 1級:5万8450円(令和7年度は5万6800円)
  • 2級:3万8930円(令和7年度は3万7830円)

前年度と比べると、1級は1650円、2級は1100円の引き上げとなりました。

2.2 12月の支給は8月分から11月分の4か月分

特別児童扶養手当は、原則として毎年4月、8月、12月に、それぞれの前月分までが支給されます。次回の12月に振り込まれるのは、8月分から11月分の4か月分です。

  • 1級:5万8450円×4か月=23万3800円
  • 2級:3万8930円×4か月=15万5720円

具体的な支給日は、お住まいの市区町村によって異なる場合があります。

2.3 年額では1級70万1400円、2級46万7160円

12か月分に換算すると、1級は年70万1400円、2級は年46万7160円です。子どもが20歳になるまで、所得制限などの要件を満たしていれば受け取り続けられます。

3. 特別児童扶養手当の所得制限と申請先

特別児童扶養手当には所得制限があり、前年の所得が一定額以上の場合は支給されません。厚生労働省が公表している限度額(令和3年8月以降適用)を確認します。

3.1 受給資格者本人の所得制限限度額

受給資格者(障害児の父母等)本人の所得制限限度額は、扶養親族等の数によって次のように決まっています。かっこ内は給与所得者を例にした収入額の目安です。

  • 扶養親族等0人:459万6000円(収入額の目安642万円)
  • 扶養親族等1人:497万6000円(同686万2000円)
  • 扶養親族等2人:535万6000円(同728万4000円)
  • 扶養親族等3人:573万6000円(同770万7000円)

3.2 配偶者や同居する扶養義務者の所得も判定される

受給資格者本人だけでなく、その配偶者や、生計を同じくする扶養義務者(同居する父母等)の所得も判定の対象です。限度額は扶養親族等0人で628万7000円(収入額の目安831万9000円)、1人で653万6000円(同858万6000円)などとなっています。

たとえば、子どもの父母と祖父母が同居している場合、祖父母の所得が限度額以上だと、父母の所得が基準内でも手当は支給されません。

3.3 申請は住所地の市区町村の窓口へ

特別児童扶養手当の申請先は、住所地の市区町村の窓口です。申請には、所定の診断書などの書類が必要になります。

受給が始まった後も、毎年8月から9月ごろに所得状況届を提出する必要があります。提出しないと8月分以降の手当が受けられなくなる場合があるため、市区町村からの案内を確認しておきましょう。

和田 直子

特別児童扶養手当は4か月分がまとめて振り込まれるため、12月は1級で20万円を超える入金になります。年額を12か月で割った約5万8000円を毎月の予算として置いておくと、入金のない月も家計の見通しを立てやすくなります。