4. 個人向け国債の変動10年は半年ごとに基準金利を見直す
3つのタイプのうち、買ったあとに利率が動くのは変動10年だけです。どのタイミングで見直されるのかを確認します。
4.1 第198回の基準金利の決定月は毎年3月と9月
2026年9月募集分の変動10年(第198回)は、基準金利の決定月が毎年3月と9月の年2回です。利払日は毎年4月15日と10月15日です。
発行条件によると、第198回の年1.95%が適用されるのは2026年10月16日から2027年4月15日までの利子計算期間です。その次の期間の利率は、次の基準金利で改めて計算されます。
4.2 固定5年と固定3年は、買ったときの利率が満期まで続く
固定5年と固定3年は、発行時に設定された利率が満期まで変わりません。2026年9月募集分の固定5年を買った場合、年2.24%が2031年10月15日の満期まで続きます。
財務省は変動10年の特徴を、実勢金利に応じて半年ごとに適用利率が変わるため、実勢金利が上がれば受取利子が増えることもあると説明しています。固定タイプは、発行した時点で運用結果が分かることが特徴です。
5. 個人向け国債の金利には年0.05%の下限があり、上限はない
基準金利が大きく動いたときに利率がどうなるかは、下限と上限の決まりで分かります。
5.1 3つのタイプとも、最低でも年0.05%が保証される
財務省は、基準金利が低くなると利率がゼロやマイナスになるなど、著しく低くなるケースが出てくるため、最低でも年0.05%の金利を保証しているとしています。一方で、すべての銘柄について金利に上限はありません。
利子を受け取るときは20.315%分の税金が差し引かれます。2026年9月募集分の変動10年の税引後の利率は1.5538575%です。
5.2 変動10年の算式は平成23年7月発行分から「基準金利×0.66」になった
平成23年6月までに発行された変動10年は、「基準金利−0.80%」で利率が計算されていました。低金利のときに利率が低くなりすぎないよう、平成23年7月発行分から今の算式に見直されています。
過去に引き算の方式で発行された銘柄は、見直しの対象になっていません。財務省は、金利の設定方法を見直すことはあり得るものの、現在のところ具体的な見直しの予定はないとしています。
6. 個人向け国債の10月募集分の利率は、募集開始日の前営業日に公表される
9月24日時点では、10月募集分の利率はまだ公表されていません。いつ、どこで分かるのかを確認しておきます。
6.1 財務省のホームページと取扱機関で確認できる
財務省によると、個人向け国債の金利は、募集開始日の前営業日から財務省のホームページで知ることができます。購入した取扱機関でも確認できます。
政策金利の引き上げがあったあとの募集分だからといって、利率がいくらになるかを前もって決めつけることはできません。公表された発行条件で、3つのタイプの利率を見比べることになります。
6.2 中途換金は発行から1年たってから
個人向け国債は、発行後1年が経過すれば中途換金できます。そのときは直前2回分の各利子(税引前)相当額に0.79685を掛けた額が差し引かれ、元本は額面金額100円につき100円で戻ります。
利率が高い募集回に乗り換えたいと考えて中途換金する場合も、この差し引かれる額を含めて比べる必要があります。
7. まとめ
日本銀行は9月18日の金融政策決定会合で政策金利を1.25%程度に引き上げ、9月24日から適用しました。2026年では6月に続いて2回目の引き上げです。
個人向け国債の利率は、変動10年なら10年固定利付国債の入札から計算した基準金利に0.66を掛けて決まります。算式に政策金利は入っておらず、2026年9月募集分は固定5年が年2.24%、固定3年が年1.96%、変動10年が年1.95%です。
10月募集分の利率は、募集開始日の前営業日に財務省が公表します。
参考資料
- 日本銀行「金融市場調節方針の変更について(2026年9月18日)」
- 日本銀行「金融市場調節方針に関する公表文 2026年」
- 日本銀行「無担保コールレート(オーバーナイト物)とは何ですか?」
- 財務省「変動10年 第198回債の発行条件」
- 財務省「個人向け国債の発行条件」
- 財務省「個人向け国債商品概要」
- 財務省「個人向け国債の金利についてのよくある質問」
和田 直子