3. マイナポータル経由の電子送付なら、確定申告・年末調整がスムーズに
控除証明書は、日本年金機構の「ねんきんネット」で電子送付を希望登録しておくと、マイナポータル経由で受け取れます。
3.1 電子送付を使うための事前準備
マイナポータルから「ねんきんネット」の利用登録を行うには、マイナンバーカードと、利用者証明用電子証明書の4桁のパスワードが必要です。
登録が済んだら、「ねんきんネット」で電子送付を希望する登録を行うことで、以降は書面(郵送)ではなく電子データで控除証明書を受け取れるようになります。
3.2 確定申告・年末調整でどう使う?
電子データで受け取った控除証明書は、国税庁の確定申告書等作成コーナーに取り込むと、社会保険料控除の該当項目に自動で反映されます。
勤務先の年末調整が電子化に対応している場合は、控除証明書データをそのまま提出でき、紙の証明書を探したり添付したりする手間がかかりません。
紙の証明書がどうしても必要な場合は、「QRコード付証明書等作成システム」を使って印刷することもできます。
電子送付を一度登録しておけば、紛失の心配や届いたかどうかの確認に振り回されにくくなりますし、確定申告書等作成コーナーへ自動で反映される点も地味に助かります。
証明書が手元に届いてから慌てるのではなく、10月以降の忙しい時期を見越して、今のうちに電子送付の登録だけでも済ませておくと安心です。
4. 家族の国民年金保険料を代わりに支払っている場合も、社会保険料控除の対象に
控除証明書は契約者(被保険者)本人のもとに届きますが、実際に保険料を負担しているのは別の家族というケースもあります。
国税庁の社会保険料控除の説明では、納税者本人の分だけでなく、生計を一にする配偶者やその他の親族が負担すべき社会保険料を、本人に代わって支払った場合も、支払った人の所得控除の対象になるとされています。
控除額は、その年に実際に支払った金額の全額で、上限は設けられていません。
一人暮らしをしている子どもの国民年金保険料を親が支払っているようなケースも、この考え方に当てはまります。
年末調整や確定申告で控除を受ける際は、実際に支払った人が控除証明書を使って申告する必要があるため、家族の分をまとめて管理している場合は、誰の名前で証明書が届いているかを事前に確認しておくとよいでしょう。
5. 前納を利用している場合の控除の考え方
国民年金保険料には、半年分・1年分・2年分をまとめて前払いすると保険料が割引になる「前納」制度があります。
前納をした場合も、控除の対象になるのはその年に実際に支払った金額であり、複数年分をまとめて納付していても、本年中に支払った分は本年の社会保険料控除として申告できます。
国民年金保険料「前納」の割引額は?3/3
出所:日本年金機構「国民年金保険料の「2年前納」制度」をもとにLIMO編集部作成
令和8年度は、2年前納を口座振替で利用すると1万7370円、現金・クレジットカードでは1万6010円の割引が受けられます。
1年前納・6か月前納にもそれぞれ割引が設定されており、まとめて納付するほど1か月あたりの負担は軽くなります。
前納を申し込む場合、口座振替とクレジットカードは辞退の申し出をしない限り翌年度以降も自動的に同じ方法で継続されますが、現金(納付書)による前納は自動継続の仕組みがなく、毎年2月から改めて申し込みが必要になる点に注意が必要です。
6. まとめ
令和8年分の社会保険料(国民年金保険料)控除証明書は、電子データ・書面のいずれも令和8年10月以降、納付時期に応じて順次届きます。
令和8年度の国民年金保険料は月額1万7920円で、前年度から410円の増額となりました。
マイナポータルの電子送付サービスを利用すれば、確定申告書等作成コーナーへの自動反映や年末調整での提出がスムーズになります。
家族の保険料を代わりに支払っている場合や、前納をまとめて行った場合も、実際に支払った金額に応じて社会保険料控除を受けられるため、証明書が届いたら早めに内容を確認しておきましょう。
参考資料
- 日本年金機構「令和8年分社会保険料(国民年金保険料)控除証明書の送付予定をお知らせします」
- 日本年金機構「マイナポータルを通じた控除証明書等の電子送付サービス」
- 日本年金機構「国民年金保険料の変遷」
- 日本年金機構「国民年金保険料の「2年前納」制度」
- 国税庁「No.1130 社会保険料控除」
和田 直子
