財布診断にも一理あるのかも知れませんが、そのロジックには無理があります。お金は大切に使わなくてはいけないし、お金のありがたみを実感することは大切です。私たちは、ブームや噂に流されてしまうことがありますが、ほかに学ぶべきことがあるように思います。

財布に、こだわるエグゼクティブは少数派です。大切なのはその中身です。財布は使いやすく、分相応であることが望ましいといえます。安いスーツや靴を身に着けながら、財布だけ高級品という方がいたら、違和感を覚えてしまいます。まずは財布の購入で無駄遣いしないことを心掛けたほうが賢明といえます。

最後に、風水の本場、台湾や香港の考え方を紹介します。台湾や香港では、風水だけではなく、四柱推命、人相、東洋医学など、さまざまな思想や宗教観をおり交ぜて体系化しています。日本では枝葉の部分だけが注目されます。黄色が金運を呼ぶ色だとテレビなどで報じられたら、財布や持ち物を黄色で統一する人が続出しますが、台湾や香港では考えられないと思います。

また、占いや風水が日常に入り込んでいます。風水を学び資格が取得できる大学があり、お金持ちはお抱えの占い師を持ち、オリジナルの風水を施すなどの文化が根付いています。これは、生きていく上での哲学みたいなものです。長い歴史の中で蓄積されてきた人生訓だからです。

尾藤 克之