長寿化は日本だけでなく他の先進国でも起きていると言われ、「人生100年時代」という言葉はもはや世界のトレンドとも言えるようになっています。一方で、いわゆる年金2000万円問題や孤独死など、長生きすればするほど高まる不安が存在していることも事実。これからの時代に、私たちは健康や人生についてどのように考えていけばいいのでしょうか。
サントリー食品インターナショナルは10月9日、サントリー100年ライフプロジェクト「ウェルビーイングトレンドサーベイ2019」の記者発表を行いました。20~70代を対象に実施した健康に関する意識や行動の実態調査を行った結果から、性別年代別の特徴を見ていきます。
20~30代男女に顕著に見られる老後の不安
調査ではまず、「人生100年時代」という言葉に対する認知度を調査しました。「内容を知っている」「見聞きしたことがある程度」を合わせると60~70代のシニア層が高い傾向に。一方で「内容まで知っている」だけを見ると、全年代を通して男女ともに20代が約30%と最も多かったことが特筆すべきでしょう。
そこで「内容を知っている」と回答した人に、将来気をつけたい/予防したい症状を聞いたところ、「認知症」(48.2%)が「がん」(45.4%)を押さえて第1位に。特に70代男性、50代女性、そして20代男性、20~30代女性においては非常に高い数値となっています。
これは親が認知症の祖父母を介護している姿を目にした経験や、世間的にも注目される認知症の高齢者による交通事故などが影響していると推測されます。体の病気以上に家族や介護者への負担感が強いことや他人を巻き込む事故などの情報から、「認知症=他人に迷惑をかける」というネガティブなイメージを若年層ほど強く持っているのかもしれません。
また、「人生100年時代」と聞いてどう考えるかについて聞くと、「自分事として受け止める」と回答した人は20代男性では75.9%と他の性別年代に比べても非常に高い数値に。「将来に備えたいと思う」と回答した人も75.9%となり、20代男性の健康寿命に対する関心の高さが伺えます。
この回答は30代女性も87.0%と数値が高い結果となりました。総じて男女ともに20~30代は年金問題や雇用の先行きの不透明さといった社会的な影響をダイレクトに受けていることから、老後の不安を強く感じているようです。
現実的だからこそ50代女性に渦巻く「長生きしたくない」
一方で、「人生100年時代」についてネガティブな感覚を持つ性別年代も浮き彫りになりました。それが50代女性です。