4. 65歳以上になると住民税「課税」世帯の割合は低くなる
厚生労働省「令和6年国民生活基礎調査」の資料から、年齢層別に住民税が課税される世帯の割合を見てみましょう。

出所:厚生労働省「令和6年国民生活基礎調査」(第131表)をもとにLIMO編集部作成
※ 全世帯数には、非課税世帯及び課税の有無不詳の世帯を含む
※ 総数には、年齢不詳の世帯を含む
※ 住民税課税世帯には、住民税額不詳の世帯を含む
住民税が課税される世帯の割合は、30〜50歳代では90%弱ですが、60歳代で79.8%となります。その後65歳以上は61.1%、つまり残りの約4割が非課税などの世帯です。75歳以上では54.4%まで下がります。
住民税が課税されている世帯の割合を見ると、年齢が上がるにつれて低下する傾向があります。
ただし、「住民税課税世帯ではない世帯」のすべてが住民税非課税世帯というわけではありません。統計には「課税の有無不詳」の世帯も含まれているため、「65歳以上の約4割が住民税非課税世帯」と単純に読み替えないよう注意が必要です。年金生活に入ると、現役時代と比べて収入状況が変化する人も少なくありません。
また、老齢年金とは異なり、遺族年金や障害年金は原則として非課税です。こうした年金の種類や所得、控除などによっても住民税の課税状況は変わります。
5. まとめにかえて
今回は、住民税納税通知書の見方と、年金収入における非課税のラインを確認してきました。
通知書で見ておきたいのは、1年間の住民税の合計額を示す「年税額」と、通知書下部にある徴収スケジュールです。4月・6月・8月の仮徴収と、10月・12月・翌年2月の本徴収では金額が変わります。
また、横浜市の例では、65歳以上の単身なら年金収入155万円以下、配偶者がいる方なら211万円以下が非課税の目安です。65歳未満ではそれぞれ105万円、171万3334円まで下がります。
本徴収では、その年度の年税額から仮徴収した金額を差し引き、残りを3回に分けて徴収するのが基本です。そのため、10月から年金の手取り額が変わる可能性がありますが、必ずしも手取りが減るとは限りません。10月の年金振込額を見てから「なぜ金額が変わったのだろう」と慌てないためにも、今のうちに納税通知書を確認しておきましょう。
通知書が届いたら、まずはその場で2つ確認をしましょう。
1つ目は年税額。これを12で割れば、年金の手取りが月あたりどれだけ減るかの目安になります。2つ目は徴収スケジュールで、10月以降の金額が前半より大きい場合は、秋から手取りが減ります。前年に退職金や不動産の売却があった方はとくに差が出やすいところです。この2点を押さえておけば、振込額が変わっても慌てずに済みます。
また、納税通知書について分からないことがある場合には、通知書に記載されている問い合わせ先やお住まいの市区町村の税担当窓口に確認をしてみましょう。
参考資料
- 総務省「個人住民税」
- 厚生労働省「令和6年国民生活基礎調査」(第131表)
- 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」
- 東京都武蔵野市「個人住民税 納税通知書の見方・ご自宅に納税通知書が届いたかた【普通徴収・公的年金からの特別徴収】」
- 神奈川県横浜市「年金収入に対する市民税・県民税が非課税となる目安はいくらですか?」
長井 祐人
