4. 動いているお金は、つみたて投資枠のほうではない

保有額では成長投資枠が上でした。

年間に新しく買われた額を見ると、差はもっと開きます。

4.1 2025年の買付額は成長投資枠が約2倍

1年間に新しく買われた金額の統計があります。

資産運用業協会が金融庁の統計をもとに公表した資料によると、2025年の年間新規買付額は、NISA成長投資枠が12兆5138億円、NISAつみたて投資枠が6兆2349億円でした。

出所:LIMO「「NISA=つみたてが基本」は思い込み?成長投資枠の買付額は「約2倍」。株式投資と投資信託、NISAでの使い分け方を金融庁の最新データで整理」(原資料は資産運用業協会「数字で見る投資信託」、金融庁の公表統計より)

合計に占める成長投資枠の割合は約67%です。保有額の差より、流れているお金の差のほうが大きくなっています。

制度上の年間投資枠も、つみたて投資枠120万円に対して成長投資枠240万円で2倍です。買付額の比率は、この枠の比率とほぼ同じところに落ち着いています。

制度上の枠の差は2倍、実際に動いているお金の差もほぼ2倍3/3

つみたて投資枠と成長投資枠の年間投資枠・平均保有額・年間新規買付額を並べた表

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2025年(二人以上世帯調査)」、資産運用業協会「数字で見る投資信託」をもとにLIMO編集部作成

4.2 「まずはつみたて」という助言と実態のずれ

この数字の意味についても触れられています。

「まずはつみたて投資枠から」という助言をよく見かけますが、実際にNISAで動いているお金の流れを見ると、成長投資枠のほうが大きいというのが実態です。

出所:LIMO「「NISA=つみたてが基本」は思い込み?成長投資枠の買付額は「約2倍」。株式投資と投資信託、NISAでの使い分け方を金融庁の最新データで整理」

J-FLECの調査でも、平均保有額は成長投資枠180万円に対してつみたて投資枠112万円でした。どちらの統計でも、同じ方向を向いています。

4.3 ただし中身までは分からない

読み方には注意点も置かれています。

「成長投資枠の買付額が多い=みんな個別株の株式投資をしている」と単純に読み替えることはできない、という点は押さえておく必要があります。

出所:LIMO「「NISA=つみたてが基本」は思い込み?成長投資枠の買付額は「約2倍」。株式投資と投資信託、NISAでの使い分け方を金融庁の最新データで整理」

成長投資枠では個別株も投資信託も買えるため、公表されている統計だけでは内訳が分かりません。

金額の大小だけを見て、自分の使い方を寄せる必要はないということになります。

参考資料

中本 智恵