2026年も残り3か月となりました。新NISAの年間投資枠は1月から12月までの1年単位で、使わなかった分を翌年に持ち越すことはできません。

生涯に使える非課税の枠は、1人あたり1800万円。では、実際の口座にはいくら入っているのでしょうか。

この記事では、制度ごとの平均保有額を調査から確認します。

記事後半では、保有額よりも差が大きい「1年間に新しく買われた金額」を見ていきます。

1. つみたて投資枠は平均112万円、成長投資枠は180万円

金融経済教育推進機構(J-FLEC)の「家計の金融行動に関する世論調査2025年」に、新NISAの残高を聞いた集計があります。

1.1 回答した世帯の数はほぼ同じ、金額は68万円の差

二人以上世帯で、つみたて投資枠の金額を回答したのは1211世帯。その平均保有額は112万円でした。成長投資枠は1125世帯で180万円です。

回答した世帯の数はほぼ同じですが、金額は成長投資枠のほうが68万円多くなります。

新NISAの2枠のほかに、旧制度と確定拠出年金の欄も同じ調査にある1/3

新NISAのつみたて投資枠・成長投資枠や確定拠出年金などについて金額回答世帯数と平均保有額を並べた表

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2025年(二人以上世帯調査)」をもとにLIMO編集部作成。二人以上世帯5000世帯が対象で、調査時期は2025年6月20日から7月2日まで

同じ調査には、旧制度や確定拠出年金の欄もあります。一般NISAは740世帯で197万円、つみたてNISAは320世帯で123万円でした。

企業型確定拠出年金は753世帯で331万円、iDeCoは632世帯で163万円と、金額だけを見ればNISAより大きくなります。

ただしこの2つは、調査票が「これまでに拠出した総額」を聞いたものです。NISAの「現在の残高」とは別物なので、並べて大小を比べることはできません。

1.2 生涯枠1800万円に対して6.2%

この112万円を、制度の枠と並べてみます。

非課税保有限度額1800万円に対して、つみたて投資枠の112万円は6.2%です。成長投資枠は総枠1800万円のうち1200万円までという内枠があるので、180万円はその15.0%にあたります。

年間投資枠はつみたて投資枠が年120万円、成長投資枠が年240万円ですから、どちらの平均額も1年分の枠のなかに収まる水準です。

1800万円は制度の上限で、112万円はいま口座にある残高。この2つは、そもそも別の話ということになります。

1.3 この平均を自分の残高と比べる必要はない

もうひとつ、112万円という数字の性格を押さえておきます。

設問は「ゼロの場合は0と記入してください」という聞き方です。まだ始めていない世帯の0円も同じ分母に入るので、口座に残高がある人だけの平均ではありません。

金額を回答したのも、金融資産を保有する4216世帯のうち1211世帯で28.7%。成長投資枠は1125世帯で26.7%です。残りの7割がどうなっているかは、この集計からは分かりません。

個人の目標ラインではなく、全体の水準をつかむ数字として見るのがちょうどよいところです。

2. 金額は上の年代、人数は現役世代

同じ集計は、世帯主の年代別にも公表されています。金額と人数で、動く方向が逆になります。

2.1 つみたて投資枠は年代が上がるほど増える

つみたて投資枠の平均保有額は、20歳代の69万円から70歳代の135万円まで、年代が上がるにつれて順に増えます。途中で下がる年代はありません。

2.2 成長投資枠は50歳代でいったん下がる

成長投資枠は20歳代85万円から70歳代222万円まで開きますが、一直線ではありません。

40歳代の168万円から50歳代は158万円へ下がり、そこから60歳代212万円・70歳代222万円と伸びていきます。

金額は上の年代ほど大きく、回答世帯数は40歳代で頭打ちになる2/3

つみたて投資枠と成長投資枠の年代別の平均保有額と金額回答世帯数を並べた表

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2025年(二人以上世帯調査)」をもとにLIMO編集部作成

2.3 回答した世帯の数は40歳代がピーク

金額を回答した世帯の数は、逆を向きます。つみたて投資枠では40歳代の320世帯がもっとも多く、そこから減って70歳代は162世帯です。

金額が大きいのは上の年代、実際に答えている人数が多いのは現役世代。同じ集計のなかで、2つの数字が反対を向いているということです。

3. 新NISAの平均保有額はつみたて112万円・成長180万円。周りと比べず「自分のペース」で活用を

新NISAの平均保有額はつみたて投資枠112万円、成長投資枠180万円となりました。

非課税枠の翌年持ち越しはできないため、年内の計画的な活用がポイントです。

新NISAの保有金額は上の年代、利用人数は40歳代現役層が多い特徴もあります。

平均はあくまで全体の目安と捉え、他人の数字と比べずに自身のキャッシュフローに合わせた継続を意識しましょう。

ここからは、保有額よりも差がはっきり出る「1年間に新しく買われた金額」を見ていきます。

2つの枠の使われ方については、下記の記事より一部を引用・参照しています。

「NISA=つみたてが基本」は思い込み?成長投資枠の買付額は「約2倍」。株式投資と投資信託、NISAでの使い分け方を金融庁の最新データで整理
「NISA=つみたてが基本」は思い込み?成長投資枠の買付額は「約2倍」。株式投資と投資信託、NISAでの使い分け方を金融庁の最新データで整理