4. 遺族厚生年金に上乗せされるものは、遺族の年齢と子の有無で変わる

ここからは、厚生年金の記録がある方が亡くなったときの上乗せを見ていきましょう。

遺族厚生年金の年78万9264円は、それ単体で終わるわけではありません。受け取る遺族の年齢と子の有無で、加わるものが変わります。

4.1 65歳未満で子がいる配偶者には遺族基礎年金が加わる

子のある配偶者は、遺族厚生年金と遺族基礎年金をあわせて受け取れます。

子が1人いる場合、遺族基礎年金は基本額の年84万7300円に1人目の子の加算額24万3800円を足した年109万1100円です。遺族厚生年金の年78万9264円と合わせると、世帯で年187万8364円になります。

4.2 子がいない40歳以上65歳未満の妻には中高齢寡婦加算が付く

夫が亡くなったときに40歳以上65歳未満で、生計を同じくしている子がいない妻には、中高齢寡婦加算が加算されます。

額は年63万5500円で、40歳から65歳になるまでの間に付きます。ただし、老齢厚生年金の受給権者または受給資格期間を満たしている夫が死亡したときは、死亡した夫の厚生年金保険の被保険者期間が20年以上の場合に限られます。

4.3 65歳以上では自分の老齢厚生年金が先に支払われる

65歳以上で遺族厚生年金と老齢厚生年金を受ける権利がある方は、老齢厚生年金が全額支給されます。

遺族厚生年金は、その老齢厚生年金に相当する額の支給が停止されます。平成16年の年金制度改正を受けて、平成19年4月1日から自分自身が納めた保険料を年金額に反映させる扱いに変わりました。

5. 死亡一時金には死亡日の翌日から2年の期限がある

死亡一時金を選ぶ場合は、請求できる期間に注意が必要です。

死亡一時金を受ける権利の時効は、死亡日の翌日から2年です。遺族厚生年金や遺族基礎年金の請求と比べて、判断できる時間が限られます。

5.1 請求書の提出先は住所地の市区町村役場

国民年金死亡一時金請求書と寡婦年金の年金請求書は、どちらも提出先が住所地の市区町村役場の窓口です。お近くの年金事務所または街角の年金相談センターでも手続きできます。

遺族基礎年金だけを請求する場合も、提出先は住所地の市区町村役場の窓口です。ただし、死亡日が国民年金第3号被保険者期間中の場合は年金事務所または街角の年金相談センターになります。

遺族厚生年金を請求する場合は、年金事務所または街角の年金相談センターに出します。様式も遺族基礎年金が第108号、遺族厚生年金が第105号と別になっています。

5.2 用意しておくと窓口で確かめやすいもの

死亡一時金では、亡くなった方の基礎年金番号を明らかにすることができる書類が必要です。基礎年金番号通知書や年金手帳が手元にあると手続きが早まります。

戸籍謄本や世帯全員の住民票の写しは、マイナンバーを記入することで添付を省略できるものがあります。何を省略できるかは、請求する給付ごとに違います。

6. まとめ

遺族厚生年金は死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3で、平均標準報酬額40万円で480月加入なら年78万9264円でした。

厚生年金の記録がない方が亡くなったときは、子がいれば遺族基礎年金が令和8年4月分から年84万7300円、子がいなければ死亡一時金の12万円から32万円か寡婦年金のどちらか一方になります。

どの給付にあたるかは、亡くなった方が加入していた制度で決まります。基礎年金番号通知書やねんきん定期便を持って、住所地の市区町村役場か年金事務所で加入記録を確かめておくと、請求の判断がしやすくなります。

参考資料