4. 引上げの根拠は民間の特別給4.72月分

国家公務員のボーナスは、人事院が民間企業の支給状況を調べたうえで決まります。今回の0.05月分という幅にも根拠があります。

4.1 公務が民間を0.07月分下回っていた

人事院の職種別民間給与実態調査によると、令和7年8月から令和8年7月までの1年間に民間事業所で支払われた特別給は、年間で所定内給与月額の4.72月分に相当していました。

これに対して国家公務員の期末手当と勤勉手当の年間の平均支給月数は4.65月分で、0.07月分下回っていたことになります。

民間の特別給と国家公務員の年間支給月数を令和7年・令和8年で並べたグラフ2/2

民間の特別給と国家公務員の年間支給月数を令和7年と令和8年で比較した棒グラフ

出所:人事院「令和8年 人事院勧告」を参考にLIMO編集部作成

4.2 改定は0.05月単位で行われる

特別給の改定は0.05月単位で行うと決まっています。0.07月分の差がそのまま引上げ幅になるわけではなく、0.05月分の引上げにとどまったのはこのためです。

前年の令和7年の勧告でも、民間4.65月分に対して国家公務員が4.60月分と0.05月分下回り、同じ0.05月分の引上げが行われました。2年続けて同じ幅で上がったことになります。

4.3 引上げの対象は一般の職員だけではない

勧告では、指定職俸給表の適用職員、定年前再任用短時間勤務職員、特定任期付職員の期末手当および勤勉手当についても同様に支給月数を引き上げるとされました。

任期付研究員の期末手当も同じ扱いです。区分によって支給割合の水準は違いますが、引上げそのものは幅広い職員が対象になっています。

4.4 勧告から実際の支給までにはもう一段ある

人事院の勧告は国会と内閣に対して行われるもので、それ自体で給与が変わるわけではありません。

実際の支給額は、勧告を受けた給与法の改正によって決まります。支給月数の話として読むときは、この順序を押さえておくと確かです。

あわせて、月例給についても民間との較差が1人当たり平均1万5056円(3.51%)あるとして引上げが求められました。行政職俸給表(一)の平均改定率は3.3%です。

ボーナスは月例給をもとに計算されるため、月例給の改定もボーナスの額に関わってきます。

5. まとめにかえて

国家公務員のボーナスは期末手当と勤勉手当に分かれており、令和8年12月期は一般の職員で期末手当1.2875月分、勤勉手当1.0875月分の合計2.375月分です。

特定管理職員は同じ合計でも勤勉手当のほうが多く、指定職俸給表の適用職員は合計1.8月分と配分が異なります。

年間4.70月分という数字は令和9年度から6月期と12月期に均等に配分されます。数字を見かけたときは、どの区分のどの時期の話なのかを確かめてみると読み違えずに済みます。

参考資料