4. 同じ都道府県の中でも保険者によって差がある

都道府県別の数字は、その中にある市町村を平均したものです。同じ県の中でも保険者ごとに料率が違います。

4.1 北海道は最大と最小で3.8倍の開きがあった

令和6年度の事業年報では、都道府県ごとに1人当たり調定額が最も高い保険者と最も低い保険者も示されています。

北海道では最も高い興部町が19万2797円、最も低い赤平市が5万680円で、3.80倍の開きがありました。秋田県も大潟村の22万4631円と仙北市の6万6613円で3.37倍です。

一方で岩手県は矢巾町の9万8555円と野田村の6万572円で1.63倍と、県内の差が小さくなっています。

4.2 引っ越しで保険料が変わるのはこのため

都道府県をまたがなくても、市町村が変われば保険料は変わります。都道府県単位で財政運営をする仕組みになったあとも、実際の料率は保険者ごとに決まるためです。

転居を考えるときは、住民税や水道料金と同じように、国民健康保険料も自治体のホームページで確かめておくと比べやすくなります。

5. 地域で差がつく理由は3つある

保険料の高い低いは、保険者の努力だけで決まるものではありません。

5.1 加入者の医療費の水準

保険料は、加入者が使う医療費をまかなうために集められます。医療費の水準が高い地域では、必要な保険料も高くなります。

5.2 加入者の所得の水準

保険料のうち所得割は前年の所得に応じて計算されます。所得の高い加入者が多い地域では、1人当たりの調定額も高く出ます。東京都と神奈川県が上位にあるのはこの影響が大きいと考えられます。

5.3 賦課方式そのものの違い

令和6年度の市町村の均一賦課1714保険者のうち、所得割と均等割と平等割を組み合わせる3方式が1323保険者、これに資産割が加わる4方式が229保険者、所得割と均等割だけの2方式が162保険者でした。

4方式の自治体では、所得が同じでも土地や家屋を持っているかどうかで保険料が変わります。

6. 納付書が届いたら確認したいこと

全国平均や都道府県の順位は目安です。自分の額は手元の通知書で確かめられます。

6.1 区分ごとの内訳を見る

通知書には区分ごとの金額が書かれています。令和8年度からは子ども・子育て支援金分が加わっているため、去年と項目の数が違って見えることがあります。

6.2 軽減が適用されているか確かめる

所得が一定額以下の世帯には、均等割額と平等割額を7割・5割・2割減らす軽減があります。申請ではなく所得の情報にもとづいて判定されますが、住民税の申告をしていないと判定ができないことがあります。

6.3 払えないと感じたら早めに相談する

令和6年度の収納率は93.99%でした。災害や失業で収入が大きく減ったときには申請にもとづく減免や納付の猶予があります。

滞納が続くと分割の相談もしにくくなりますので、払えないと感じた時点で市区町村の国民健康保険の窓口に相談してください。

7. まとめにかえて

令和6年度の市町村の国民健康保険で、被保険者1人当たりの保険料(税)調定額は最も高い東京都が12万6878円、最も低い沖縄県が7万2655円でした。差は5万4223円、倍率にして1.75倍です。

同じ都道府県の中でも保険者によって差があり、北海道では最大と最小で3.80倍の開きがありました。

保険料は令和8年度から4区分になり、従来の3区分の賦課限度額は110万円へ引き上げられています。

順位だけを見て高い安いを判断せず、自分の世帯の所得と加入人数でどう計算されているかを通知書で確かめておきましょう。

参考資料

太田 彩子