A子さんの夫は、何度もしきりに「いや、でも協力できるときはしてたでしょ?」と発言していたのだそう。「協力できるときは…」。ここに大きな温度差の原因があるのではないのか?と筆者は考えます。

つまり、夫側は「協力したい気持ちはあるが時間がなかなか取れない。でも、家にいるときはできることはしているはず」という意見。それに対して妻は「まず、一緒に子育てする時間を確保しようと努力してくれることが大事。時間が空いて暇なときや、気が向いたときだけ子育てを手伝うのは、あまりにも自己中心的すぎる」という意見なのです。

また、男性陣がよく口にする言葉「ママじゃないとダメみたい」、これも女性陣には不評です。今まで散々夜泣きしていた子どもが、ママが抱っこした途端にぴたりと泣きやむ…そんな魔法みたいなことは起こりません。それが可能なら、子育ては随分と楽になるはず。

現実はそうではありません。世の中のママたちは、泣き続ける我が子が泣きやむまでずっと抱っこし続けている…ただそれだけなのです。泣いてる子どもにミルクを与え、おむつを換え、それでも泣きやまなければずっと抱っこしてあやして…。

ようやく泣きやんでくれた…と布団に赤ちゃんを降ろすと、パパの「やっぱりママじゃないとダメなんだなぁ。俺が抱っこしていてもずっと泣いてるもん」という呑気なひと言にカチンときた経験がある…という方も多いのではないでしょうか?

「協力できるときは」「ママじゃなきゃダメ」。このふたつはママの怒りを買う地雷ワードだと心得ておいた方がいいでしょう。

協力しようとする姿勢を見せてほしい

「子どもに手がかかるうちはすべて子育て優先にして欲しい、とは言っていません」とA子さん。「ただ、ほんの少しでも『頑張ってるな』と感じる瞬間があれば、『あまり手伝えなくてごめんな』というひと言があれば、私もこんなに怒っていなかったと思います。腹が立ったのは、夫が『育児に参加しているつもり』になっていたことなんです」

大切なことは「協力しようとする姿勢を見せること」。夫婦間の子育て協力に関する温度差を埋めるためには、まずここからはじめることが大切なのかもしれません。

大中 千景