3. 我が子が「転職したい」と言い出したとき、親世代ができる最善のサポート
お子さんから「転職を考えている」「もっと給料が良い会社に行きたい」と相談された際、親としてどのように応じるのが正解なのでしょうか。採用現場の経験を踏まえ、3つのポイントを提案します。
3.1 「年収の額面」だけで引き止めない・煽らない
「せっかく入った会社なのに、給料が低いからってすぐ辞めるなんて」「もっと高収入のIT企業や大手に行けば?」といった極端なアドバイスは避けるのが賢明です。
20代の転職において、目先の年収50万円アップのために極度に多忙な職場を選んで体調を崩してしまったり、逆に目先の楽さを求めてキャリアが停滞してしまったりする事例を幾度となく見てきました。
大切なのは「その会社で身につくスキルが、5年後・10年後の市場価値を高めるか」という視点です。
3.2 「他社でも通用する強み」を客観的に問いかけてあげる
若手が転職活動で最も苦戦するのは「自己PRの具体化」です。自分の業務が当たり前になりすぎていて、何が他社で評価される強みなのか自分自身で客観視できていないことが多々あります。
「今の仕事で、一番感謝されたことは何?」「どんな工夫をして成果を出したの?」と、家庭内で優しく問いかけてあげてください。親御さんとの対話を通じて自分の棚卸しができ、面接での説得力ある自己アピールにつながるケースは驚くほど多いのです。
3.3 「早期離職」を過剰に恐れすぎない
親世代の感覚では「1つの会社で最低5年は勤めるべき」という意識が強いかもしれませんが、労働市場の変化により、20代での1〜2回の転職は決してネガティブな経歴ではなくなりつつあります。
もちろん無計画な離職は禁物ですが、自らのキャリアを真剣に考えた上での前向きな選択であれば、過剰に反対せず「しっかり情報収集をして納得のいく選択をしなさい」と背中を押してあげる姿勢が、我が子の自立と成長を促します。
4. 時代に合ったキャリア観で我が子の挑戦を見守ろう
20代の転職市場は、若手人材の不足も相まってチャンスに満ちています。しかし、ただ「会社を変えれば年収が上がる」という甘い世界ではありません。
希望年収「301万〜400万円」、そして3年目以降の「401万円以上」という数字は、20代が自らの市場価値と向き合う現実的な指標と言えます。
親御さんに求められるのは、昔の常識で押し付けることでも、ただ突き放すことでもなく、「市場の現実を理解した上で、良き相談相手として見守る」こと。お子さんが自信を持って納得のいくキャリアを歩めるよう、温かいエールを送っていただければ幸いです。
参考資料
・調査リリース:転職希望者の希望年収は「301万~400万円」が最多。ヤングキャリアは「401万円以上」が半数近く【20代転職意識調査】(2026年9月9日 配信)
柳 奈央子