3. 家賃は収入の何割まで?住居費の目安に悩む人へのアドバイス。IFA・菅原 美優が伝えたいこと

住み替えを検討している方から、家賃をどこまでかけてよいのかというご相談をいただきます。

収入の3分の1までという目安を聞いたことがあっても、それが手取りなのか額面なのかも分からないという声が多く聞かれます。ここでは、実際のご相談を組み合わせて再構成した内容をもとに、住居費の考え方を整理します。

3.1 ご相談で多いお悩みは「家賃の上限をどこに置けばよいか分からない」

ご相談者
引っ越しを考えているのですが、家賃をどのくらいまでにすべきか迷っています。収入の3分の1までという話は聞いたことがあるものの、それが手取りなのか額面なのかも分かりません。いまより広い部屋に住みたい気持ちはありますが、貯蓄も続けたいと思っています。判断の基準になる考え方があれば教えていただきたいです。

3.2 【IFA・菅原 美優が回答】手取りの何割かではなく、残せる金額から逆算する

菅原 美優
目安としてお伝えするなら、手取り収入の3割以内です。額面ではなく手取りで見てください。ただ、割合だけで決めると貯蓄が後回しになりがちです。おすすめしているのは逆算です。まず、毎月いくら貯蓄に回したいかを決める。次に、手取りからその金額と生活費を引く。残った金額が、住居費に充てられる上限になります。この順番にすると、家賃を上げたときに何を諦めることになるのかがはっきりします。住居費は一度上げると下げにくい固定費ですから、決める前にこの計算をしておく価値があります。事前に残せる金額を決めておくことが、貯蓄が増える要因となるでしょう。

4. まとめにかえて

今回は、年収1000万円超の割合と、その世帯の貯蓄状況を確認してきました。

給与所得者のうち年収1000万円超は全体の5.4%で、男性8.4%、女性1.5%。約20人に1人という水準です。一方、世帯年収で見ると12.6%まで上がり、約8世帯に1世帯となります。

この差を生んでいるのが共働きです。年収1000万円超の世帯の共働き率は65%から75%で、年収が高い世帯ほど共働き率も上がっています。

貯蓄については、世帯年収1000万円超の中央値は1000万円以上で、3000万円以上を保有する世帯が最も多くなっています。ただし、金融資産を保有していない世帯も約1割存在します。収入が高いことと貯蓄があることは別の話だということです。

老後の備えを考えるなら、まず公的年金の見込み額を「ねんきん定期便」で確認し、いまの支出と並べて不足額を出すところからです。収入の多寡にかかわらず、この作業は必要になります。

NISAやiDeCoといった税制優遇制度の活用、家計の見直しなど、残す力を高める方法はいくつもあります。まずはご自身の数字を確かめるところから始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料

菅原 美優