暖房を使う季節が近づくと、光熱費の負担が気になりはじめます。
生活保護には、寒い時期の暖房費などにあてるための冬季加算があります。全国いっせいに始まるのではなく、地区区分によって10月分から加算される地域と、11月分からの地域に分かれています。
この記事では、令和8年10月1日から適用される生活保護法による保護の基準をもとに、冬季加算の地区区分と世帯人員別の月額を確認していきます。
1. 生活保護を受けている世帯の51.7%は単身シニア世帯だった
冬季加算は世帯人員によって額が変わります。まず、生活保護を受けている世帯の人数構成を見ておきましょう。
1.1 高齢者世帯90万3532世帯のうち84万4730世帯が単身
厚生労働省が令和8年9月2日に公表した「被保護者調査(令和8年6月分概数)」によると、令和8年6月の世帯類型別の総数は163万4108世帯でした。内訳は次のとおりです。
- 高齢者世帯:90万3532世帯(55.3%)
- うち単身世帯:84万4730世帯(51.7%)
- うち2人以上の世帯:5万8802世帯(3.6%)
- 高齢者世帯を除く世帯:73万576世帯(44.7%)
- うち母子世帯:5万4953世帯(3.4%)
- うち障害者・傷病者世帯計:41万6933世帯(25.5%)
- うちその他の世帯:25万8690世帯(15.8%)
1.2 単身世帯の冬季加算は世帯人員別で最も低い額になる
高齢者世帯のうち単身世帯が84万4730世帯で、総数の51.7%を占めています。
暖房費は世帯人員が増えても人数分だけ増えるわけではないため、冬季加算の額は1人あたりで見ると単身世帯が最も高く、世帯人員が増えるほど1人あたりでは下がっていきます。
2. 生活保護の冬季加算は生活扶助の算式に組み込まれている
冬季加算は独立した給付ではなく、生活扶助の基準生活費を計算する式の一部です。
2.1 基準生活費はA・B・Cの3つを足して算定する
保護の基準は、基準生活費を「A+B+C」という算式で算定すると定めています。それぞれの中身は次のとおりです。
- A:年齢別の第1類費を世帯員ごとに合算した額に世帯人員に応じた逓減率を掛けた額と、世帯人員別の第2類費の合計額
- B:世帯人員に応じた年齢別の経過的加算額を世帯員ごとに合算した額
- C:地区別冬季加算額
2.2 冬季加算は該当する月の基準生活費に上乗せされる
冬季加算はCにあたるため、加算の対象になる月だけ基準生活費が増える形になります。
申請して受け取るものではなく、住んでいる地域と世帯人員に応じて自動的に算定される仕組みです。
3. 生活保護の冬季加算が10月分から始まるのはⅠ区とⅡ区
冬季加算の地区区分は全国を6つに分けています。区分ごとに加算される月と都道府県を確認しましょう。
3.1 6つの区分と加算される月は次のとおり
- Ⅰ区(10月から4月まで):北海道、青森県、秋田県
- Ⅱ区(10月から4月まで):岩手県、山形県、新潟県
- Ⅲ区(11月から4月まで):宮城県、福島県、富山県、長野県
- Ⅳ区(11月から4月まで):石川県、福井県
- Ⅴ区(11月から3月まで):栃木県、群馬県、山梨県、岐阜県、鳥取県、島根県
- Ⅵ区(11月から3月まで):その他の都府県
3.2 加算される期間は区分によって2か月の差がある
最も長いⅠ区とⅡ区は10月から4月までの7か月間です。最も短いⅤ区とⅥ区は11月から3月までの5か月間になります。
10月分から加算されるのは、Ⅰ区の北海道、青森県、秋田県と、Ⅱ区の岩手県、山形県、新潟県の6道県です。
4. 生活保護の冬季加算の月額は地区区分と世帯人員で決まる
ここからが額の話です。地区区分と世帯人員の組み合わせで月額が決まります。
4.1 地区区分別・世帯人員別の月額
【Ⅰ区】
- 1人:1万2780円
- 2人:1万8140円
- 3人:2万620円
- 4人:2万2270円
- 5人:2万2890円
【Ⅱ区】
- 1人:9030円
- 2人:1万2820円
- 3人:1万4570円
- 4人:1万5740円
- 5人:1万6170円
【Ⅲ区】
- 1人:7460円
- 2人:1万590円
- 3人:1万2030円
- 4人:1万3000円
- 5人:1万3350円
【Ⅳ区】
- 1人:6790円
- 2人:9630円
- 3人:1万950円
- 4人:1万1820円
- 5人:1万2150円
【Ⅴ区】
- 1人:4630円
- 2人:6580円
- 3人:7470円
- 4人:8070円
- 5人:8300円
【Ⅵ区】
- 1人:2630円
- 2人:3730円
- 3人:4240円
- 4人:4580円
- 5人:4710円
冬季加算は地区区分と世帯人員の2つだけで決まります。表の見方さえ分かれば、自分の世帯の額は告示から読み取れます。
