身近な人が亡くなったとき、葬儀の費用をどう工面するかで戸惑うことがあります。
生活保護には8種類の扶助があり、そのうち葬儀にかかる費用を対象にするのが葬祭扶助です。厚生労働省が定める「生活保護法による保護の基準」では、2026年9月時点の基準額が1級地と2級地で大人22万2000円以内と決められています。
この記事では、葬祭扶助が誰に対して支給され、どこまでが対象になるのかを、生活保護法と基準の条文にそって確認します。
1. 葬祭扶助は亡くなった人ではなく、葬祭を行う人に対して支給される
葬祭扶助は、ほかの扶助とは支給の相手が異なります。生活保護法は、葬祭を行う人に対して扶助を行うという形で条文を組み立てています。
1.1 生活保護法が定める葬祭扶助の範囲は4つ
生活保護法第18条第1項は、葬祭扶助の範囲を次の4つに定めています。
- 検案
- 死体の運搬
- 火葬又は埋葬
- 納骨その他葬祭のために必要なもの
亡くなったあとに必要になる手続きと処置が並んでいます。祭壇や会葬者への対応といった、葬儀の規模に関わる費用は書かれていません。
1.2 葬祭扶助の対象になるのは2つの場合
同条第2項は、次の2つの場合に葬祭を行う者があるときは、その者に対して葬祭扶助を行うことができると定めています。
1つめは、被保護者が死亡した場合において、その者の葬祭を行う扶養義務者がないときです。
2つめは、死者に対しその葬祭を行う扶養義務者がない場合において、その遺留した金品で、葬祭を行うに必要な費用を満たすことのできないときです。
葬祭扶助は葬祭を行う人に対して支給される扶助です1/2
出所:e-Gov法令検索「生活保護法」を参考にLIMO編集部作成
2. 葬祭扶助の基準額は級地で分かれ、1級地と2級地は大人22万2000円以内
金額は「生活保護法による保護の基準」の別表第8に定められています。住んでいる地域の級地区分と、亡くなった方が大人か小人かで金額が変わります。
2.1 1級地と2級地は大人22万2000円以内、小人17万7600円以内
1級地および2級地の基準額は、大人が22万2000円以内、小人が17万7600円以内です。
3級地は大人が19万4300円以内、小人が15万5400円以内で、1級地と2級地より低く設定されています。
2.2 いずれも「以内」で定められている
基準額はすべて「以内」という書き方になっています。この額まで必ず支給されるという意味ではなく、必要な費用の範囲でこの額を上限とする仕組みです。
級地区分は市町村ごとに定められているので、どの区分にあたるかは葬祭地の自治体で確認することになります。
葬祭扶助の基準額は級地と大人・小人の区分で決まります2/2
出所:厚生労働省「生活保護法による保護の基準」を参考にLIMO編集部作成
葬祭扶助は、条文で対象になる場合と範囲がはっきり書かれている扶助です。
あわてて手配を進める前に、葬祭地の福祉事務所で級地区分と対象になるかどうかを確かめ、やりとりの内容を書面に残しておくと後から確認しやすくなります。
