学生のころに納付特例を使っていた人は、そのままにしておくと年金額が満額に届きません。
ただ、あとから納める道が用意されています。追納制度です。ただし期限があります。
この記事では、日本年金機構の資料をもとに、追納制度の条件を確認します。
1. 【国民年金】あとから納めれば満額に近づけられる
免除、納付猶予、学生納付特例を受けた人が、その後に経済的な余裕ができたときに、本人の申し出で保険料を納める制度です。
1.1 さかのぼれるのは10年
日本年金機構によると、追納が承認された月の前10年以内の免除等期間について追納が可能です。それより前の期間は、もう納められません。
10年という期限があるため、学生時代の分は30歳前後で使えなくなる計算になります。追納申込書を期限の直前に出すと間に合わないこともあるため、早めの提出が案内されています。
1.2 3年度目からは上乗せがある
免除・納付猶予の承認を受けた期間の翌年度から起算して、3年度目以降に追納する場合には、当時の保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せされます。
令和8年度中に追納する場合、令和7年度と令和6年度の月分には追納加算額がありません。それより前の年度分には加算がついています。早く納めるほど安く済む仕組みです。
1.3 1年分でどれだけ増えるか
1年間分を追納すると、全額免除の期間であれば老後の年金が年間で約1万円、納付猶予や学生納付特例の期間であれば年間で約2万円増えます。
納付猶予と学生納付特例の期間は受給資格期間としては計算されますが、追納しなければ年金額に反映されません。だから増える幅が大きくなります。
2. 納め方にも決まりがある
追納は普段の保険料とは別の手続きです。
2.1 納付書だけ
申込書を提出すると納付書が届き、それで納めます。金融機関、郵便局、コンビニエンスストア、電子納付、スマートフォンアプリが使えます。
一方、口座振替やクレジットカード、ねんきんネットを活用した納付書によらない納付では追納できません。ここは通常の保険料と扱いが違います。
2.2 古い期間から納めるのが原則
免除等の承認を受けた期間が複数ある場合は、原則として古い期間の保険料から納付します。免除の期間と納付猶予・学生納付特例の期間がどちらもある人は、順序について年金事務所に相談することになっています。
そして、老齢基礎年金を受け取ることができる人は追納できません。受給が始まってからでは手遅れです。
2.3 社会保険料控除の対象になる
追納した保険料は社会保険料控除の対象です。納めた年の所得から差し引けます。
年金額が増えるだけでなく、納めた年の税負担も下がるということになります。
前納中に就職した場合の扱いについては、下記の記事より一部を引用・参照しています。
