3. その保険料はどこへ行くのか
40歳から保険料を払い始めても、実際にサービスを使う場面は限られています。では、その保険料は何に使われているのでしょうか。
3.1 半分は公費でまかなわれている
LIMOの記事「介護保険制度とは?65歳以上・40〜64歳の被保険者区分と、財源の半分が公費という仕組みまで、公的資料にもとづき編集部がわかりやすく解説」は、令和6年度から8年度の居宅給付費の場合として、次のように示しています。
- 第1号被保険者の保険料:23%
- 第2号被保険者の保険料:27%
- 公費(国・県・市):約50%(うち国約25%、県12.5%、市12.5%)
出所:LIMO「介護保険制度とは?65歳以上・40〜64歳の被保険者区分と、財源の半分が公費という仕組みまで、公的資料にもとづき編集部がわかりやすく解説」
介護給付費のおよそ半分は国・都道府県・市区町村の公費です。残りを第1号被保険者と第2号被保険者の保険料でまかないます。
ただしこの公費の内訳は居宅給付費の場合のもので、施設等給付費では国と都道府県の割合が変わります。札幌市の資料では、施設等給付費は国20%、都道府県17.5%、市町村12.5%です。第1号23%・第2号27%という保険料の配分は、どちらも同じになります。
3.2 負担割合は3年ごとに見直される
第1号と第2号の配分は、全国の人口比率にもとづいて3年ごとに見直されます。令和6年度から8年度は第1号が23%、第2号が27%です。
高齢者の人口が増えれば、この比率も動きます。自分の払った保険料が自分の将来のために積み立てられているわけではない、ということになります。
4. 使うときの流れと自己負担
保険料の行き先に続けて、実際に使うときの手順も確かめておきます。
4.1 申請から認定までは原則30日以内
厚生労働省の介護サービス情報公表システムによると、介護保険によるサービスを利用するには要介護認定の申請が必要です。市区町村等の調査員が自宅や施設等を訪問して、心身の状態を確認するための認定調査を行います。
主治医意見書は市区町村が主治医に依頼します。主治医がいない場合は、市区町村の指定医の診察が必要です。
認定は要支援1・2から要介護1から5までの7段階および非該当に分かれ、申請から認定の通知までは原則30日以内に行われます。ケアプランは、要支援1・2なら地域包括支援センター、要介護1以上なら居宅介護支援事業者に依頼して作成します。
4.2 40歳から64歳の自己負担は所得にかかわらず1割
ここは年齢で分かれます。
介護保険サービスを利用した場合の利用者負担は、介護サービスにかかった費用の1割で、一定以上所得者の場合は2割又は3割です。
ただし、この2割・3割の判定の対象になるのは65歳以上の第1号被保険者です。札幌市の案内では、第2号被保険者は1割負担のままとされています。40歳から64歳の人がサービスを使う場合、所得がいくらであっても1割ということになります。
負担割合は市区町村が交付する介護保険負担割合証に記載されます。自分の割合は、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口でご確認ください。
5. 特定疾病かどうかと、負担が1割で固定されること
40歳から64歳の第2号被保険者が介護保険を使えるのは、加齢に伴う特定疾病が原因で要介護・要支援になったときに限られます。原因を問わない65歳以上とは、ここが違います。
特定疾病は介護保険法施行令第2条に16種類が列記されています。加齢との関係が認められて医学的概念を明確に定義できること、3か月から6か月以上継続して要介護状態となる割合が高いことの2つが選定の要件です。
そして介護給付費の約半分は公費です。第1号被保険者の保険料が23%、第2号被保険者が27%という配分は、3年ごとに見直されます。払っている保険料の行き先は、ここを見ると分かります。
使うときの自己負担は、40歳から64歳であれば所得にかかわらず1割です。2割・3割の判定は65歳以上の話なので、年齢が変わる前と後で読み分ける必要があります。実際の認定の可否や負担割合は、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口にご確認ください。
参考資料
- 厚生労働省「特定疾病の選定基準の考え方」
- 厚生労働省 介護サービス情報公表システム「サービス利用までの流れ」
- 厚生労働省 介護サービス情報公表システム「サービスにかかる利用料」
- 札幌市「介護保険の運営のしくみ」
- 札幌市「介護保険サービスを利用したときの利用者負担割合について」
- LIMO「介護保険制度とは?65歳以上・40〜64歳の被保険者区分と、ближ40〜64歳の被保険者区分と、財源の半分が公費という仕組みまで、公的資料にもとづき編集部がわかりやすく解説」
LIMO編集部社会保障解説班