3. 物差しになる住民税にも地域差がある
市町村が把握している所得の情報は、住民税の課税資料です。その住民税の額そのものにも、住む場所による違いがあります。
3.1 標準の税率に上乗せする県がある
LIMOの記事「住民税が高いと感じる理由の1つは「超過課税」。宮城県は均等割に年1200円、神奈川県は均等割300円+所得割0.025%を独自上乗せなど地域差を整理」から、要点を引用します。
- 住民税には、全国標準の税率とは別に、都道府県が独自に上乗せする「超過課税」という仕組みがあります。
- 宮城県の「みやぎ環境税」は、個人県民税の均等割に年1200円を上乗せしています。
- 神奈川県の「水源環境保全税」は、均等割300円に加え、所得割にも0.025%を上乗せしています。
- 超過課税の有無や税率は、都道府県・市区町村の公式ページや住民税決定通知書で確認できます。
出所:LIMO「住民税が高いと感じる理由の1つは「超過課税」。宮城県は均等割に年1200円、神奈川県は均等割300円+所得割0.025%を独自上乗せなど地域差を整理」
3.2 上乗せは県民税の側に出る
均等割への上乗せは定額なので、所得が低い世帯ほど負担に占める割合が大きくなります。所得割への上乗せは、課税所得に比例して増えていきます。
就学援助の認定基準そのものが市町村ごとに違ううえ、判定の材料になる住民税の額にも都道府県による差がある。同じ収入でも扱いが一致しないのは、この二重の地域差が理由になります。
4. 学校から書類が来たときに見るところ
まず、対象品目に給食費や修学旅行費が含まれているかを確かめます。年度の途中で必要になる費目です。
次に、認定基準の欄をみます。前年の所得で判定するのか、世帯の人数をどう数えるのかは市町村ごとに違います。
そして、申請の時期を確かめます。入学前に支給する扱いを設けている市町村もあります。
5. まとめにかえて
就学援助は、学校教育法第19条にもとづき市町村が行う援助です。対象は、生活保護法第6条第2項に規定する要保護者が令和6年度で約8万人、要保護者に準ずる程度に困窮していると市町村教育委員会が認める準要保護者が約109万人となっています。
補助対象品目には、学用品費・体育実技用具費・通学費・修学旅行費・医療費・学校給食費・クラブ活動費・卒業アルバム代等・オンライン学習通信費などが並びます。国庫補助率は2分の1で、令和8年度予算額は約5億円です。
準要保護者への援助は平成17年度から各市町村が単独で実施しており、認定基準も各市町村が規定します。判定の土台になる住民税の額自体、都道府県による超過課税で差がつくため、同じ収入でも住む場所で扱いが変わることがあります。
参考資料
- 文部科学省「就学援助制度について(就学援助ポータルサイト)」
- e-Gov法令検索「学校教育法」
- LIMO「住民税が高いと感じる理由の1つは「超過課税」。宮城県は均等割に年1200円、神奈川県は均等割300円+所得割0.025%を独自上乗せなど地域差を整理」
LIMO編集部社会保障解説班