4. 女性の年金、満額を超える「7万円以上」の割合はどれくらい?年金を増やすための対策

分布を男女で分けると、6万円台に集まる度合いも、満額を超える層の割合も変わります。

4.1 男性は6万円台が67.1%、女性は39.3%

男性の受給権者1440万6115人のうち、6万円以上7万円未満は966万1504人で67.1%でした。

女性は1904万8502人のうち749万3555人で39.3%、6万円未満が48.4%とほぼ半分を占めます。平均額は男性6万1595円、女性5万7582円です。

4.2 7万円以上は女性のほうが多い

令和6年度の満額を超える7万円以上は、女性が232万7402人で12.2%、男性が67万336人で4.7%でした。女性のほうが割合が高くなっています。

老齢基礎年金が満額を超える金額になる仕組みとして、次の2つがあります。

  • 振替加算:配偶者の老齢厚生年金に加算されていた加給年金額が打ち切られたあと、本人の老齢基礎年金に上乗せされるもの
  • 繰下げ受給:受給開始を66歳以降に遅らせて、増額された年金を受け取るもの

4.3 振替加算は配偶者の老齢基礎年金に上乗せされる

日本年金機構によると、振替加算を受けるには大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれていることが要件のひとつです。昭和41年4月2日以後に生まれた方は対象になりません。

額は生年月日に応じて決まり、大正15年4月2日から昭和2年4月1日までに生まれた方は年24万3100円です。生年月日が新しくなるほど少なくなります。

このほか、本人が老齢厚生年金や退職共済年金を受けている場合は厚生年金保険と共済組合等の加入期間をあわせて240月未満であることなど、複数の要件が定められています。

4.4 繰下げ受給は1月あたり0.7%の増額が生涯続く

繰下げ受給を選ぶと、65歳に達した月から繰下げの申出をした月の前月までの月数に応じて、1月あたり0.7%が増額されます。

上限は75歳で、増額率は最大84%です。昭和27年4月1日以前に生まれた方は上限が70歳、最大42%となります。増額された率は一生変わりません。

5. この一覧は同じ人の推移ではなく、令和6年度末時点の世代の横並び

年齢別の平均額や分布を読むときに、あわせて押さえておきたい前提があります。

5.1 年齢が上がると年金が減るという表ではない

この数値は令和6年度末時点の受給権者を年齢で並べたもので、一人の受給額が年齢とともに変わっていく様子を示したものではありません。

年齢層ごとに、加入していた期間の制度や働き方が違います。世代の違いが混ざった横並びの数値として読むのが適切です。

5.2 自分の見込額はねんきん定期便とねんきんネットで確認する

国民年金は納付済期間の長さで額が決まるため、平均や中央値をそのまま自分の見込額と重ねることはできません。

毎年の誕生月に届くねんきん定期便には、これまでの保険料納付額と加入実績に応じた年金額が記載されています。ねんきんネットでは、今後の働き方を入れた試算もできます。

納付済期間が40年に足りない場合は、60歳以降の任意加入や、免除・猶予を受けた期間の追納という選択肢もあります。手続きの内容は年金事務所や市区町村の窓口で確認できます。

6. まとめ

令和6年度末現在の国民年金(老齢年金)の平均年金月額は5万9310円で、同じ令和6年度の満額6万8000円を月8690円下回りました。

ただし年金月額階級別にみると、最も人数が多いのは6万円以上7万円未満の1715万5059人で51.3%。累積構成比で50%を超えるのもこの階級で、中央値は平均より上にあります。

平均が中央値より低いのは、4万円未満に301万1509人の裾があるためでした。平均という1つの数字だけを見ると、分布の山がどこにあるのかは見えません。

どの代表値を見ているのかを意識したうえで、自分の見込額はねんきん定期便で確かめておくと、老後の見通しを立てやすくなります。

参考資料

村岸 理美