年金は「いくらもらえるのか」が気になるところですが、目にするのはたいてい平均額です。

厚生労働省が2026年3月31日に公表した「厚生年金保険・国民年金事業年報 令和6年度」では、国民年金(老齢年金)の受給権者は3345万4617人、平均年金月額は5万9310円でした。

この記事では、平均額だけでは見えない「年金月額階級別の分布」を確認したうえで、同じ令和6年度の満額との距離と、年齢別・男女別の平均額をみていきます。

なお、年金の平均額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。

【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
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【2026年最新版】老齢年金一覧表「60歳代・70歳代・80歳代・90歳以上」の平均年金月額はいくら?手取りのリアルと5つの公的給付金
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1. 国民年金の平均受給額「月5万9310円」!満額との差はどれくらい?

まず、国民年金の平均額を満額と並べてみます。

比べるときに気をつけたいのは年度です。年報の「令和6年度末現在」の平均額は、令和6年度の年金額にもとづいています。

1.1 令和6年度の満額は月6万8000円

厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」によると、令和6年度の老齢基礎年金の満額は1人分で月6万8000円です。

昭和31年4月1日以前に生まれた方の満額は、月6万7808円と定められています。

平均5万9310円と満額6万8000円の差は月8690円、年に10万4280円です。どちらも令和6年度の数値なので、そのまま引き算ができます。

満額に届かないのは、保険料を納めた期間が40年に足りない場合や、免除・猶予を受けた期間がある場合です。

2. 実は「月6万円台」が半数以上!平均額が低く見えるのはなぜ?

次に、平均額のもとになっている分布を確認します。

年報には、受給権者を年金月額の階級ごとに分けた表が収録されています。

国民年金(老齢年金)の年金月額階級別 受給権者数と構成比。6万円以上7万円未満に51.3%が集まる1/2

国民年金(老齢年金)の年金月額階級別 受給権者数と構成比。6万円以上7万円未満に51.3%が集まる

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考にLIMO編集部作成

2.1 最も人数が多いのは6万円以上7万円未満で1715万5059人

階級別にみると、6万円以上7万円未満が1715万5059人で、全体の51.3%を占めます。

令和6年度の満額が月6万8000円ですから、この階級は満額の近くに山ができている状態です。

2.2 累積構成比で50%を超えるのも6万円台の階級

下の階級から人数を積み上げていくと、6万円未満までで39.8%、7万円未満までで91.0%になります。

受給権者を金額の低い順に並べてちょうど真ん中に来る人、つまり中央値も、この6万円以上7万円未満の階級に入ります。

平均は5万9310円で6万円に届きませんが、中央値は6万円台にあります。平均のほうが低い位置にあるということです。

2.3 平均が中央値より低いのは、4万円未満に301万1509人がいるため

4万円未満の階級を合計すると301万1509人で、全体の9.0%にあたります。

平均はこうした低い側の金額に引っ張られて下がります。一方で中央値は人数の順番で決まるため、山がある6万円台に落ち着きます。

なお、この階級別の中央値は、LIMO編集部が年報の累積構成比から階級を特定したものです。年報そのものに中央値の記載はありません。

3. 年齢別で見る年金額の違い「60歳代と90歳代」で年金額に差はある?

分布に山ができる理由のひとつは、国民年金が定額の基礎年金だという点です。年齢別の平均額もあわせて確認します。

国民年金と厚生年金の平均年金月額を5歳刻みで並べた一覧表。国民年金は6万円前後で推移する2/2

国民年金と厚生年金の平均年金月額を5歳刻みで並べた一覧表。国民年金は6万円前後で推移する

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考にLIMO編集部作成

3.1 国民年金は65歳以上でみると5万円台から6万円台

65歳以上の平均額は、65歳〜69歳で6万1240円、90歳以上で5万5633円でした。

年齢が上がるほど少しずつ下がりますが、6万円前後の範囲で収まっています。

60歳〜64歳の4万7138円が低いのは、この年齢で国民年金を受け取っているのが繰上げ受給を選んだ方に限られるためです。

3.2 厚生年金は年齢が上がるほど平均額が高い

厚生年金保険(第1号)は、65歳〜69歳の15万1753円に対して85歳〜89歳が16万5486円で、年齢が上がるほど高い傾向でした。

厚生年金は加入期間と報酬で額が決まるため、国民年金とは分布のかたちが違います。なお、この平均額には基礎年金の月額が含まれています。

年金額の全体像については、LIMOの記事「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」から要点を引用して確認しておきましょう。

老後に受け取る年金額は加入している年金の種類に影響されるため、厚生年金にも加入している人の方が、国民年金だけに加入している人よりも受給額が多くなります。

出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説

年齢別の一覧については、LIMOの記事「【2026年最新版】老齢年金一覧表「60歳代・70歳代・80歳代・90歳以上」の平均年金月額はいくら?手取りのリアルと5つの公的給付金」もあわせて確認できます。

標準的な年金受給開始年齢は65歳となっています。65歳以降の各年齢で受け取れる厚生年金の平均年金月額は、14万円~16万円台でした。

出所:【2026年最新版】老齢年金一覧表「60歳代・70歳代・80歳代・90歳以上」の平均年金月額はいくら?手取りのリアルと5つの公的給付金

村岸 理美

家計相談でご自身の見込額をうかがうと、平均額を基準に考えていらっしゃる方が少なくありません。

ただ国民年金は納付済期間で額が決まるので、平均や中央値と自分の額は別に考える必要があります。ねんきん定期便で納付済期間を確かめておくと、見込額の見当がつきやすくなります。