受取時のルール変更については、下記の記事より一部を引用・参照しています。
3. 退職金と重なると控除が調整される「10年ルール」
3つ目の優遇である退職所得控除には、会社の退職金と重なったときの調整があります。LIMOの記事「【2026年最新】iDeCo「改悪」の噂は本当?掛金上限引き上げはいつから始まるのか、退職金併用で損をする「10年ルール」への見直しと税金対策の実務アプローチ」から引用します。
従来のルール(5年ルール): iDeCoの一時金を先に受け取り、その「5年以上後」に会社の退職金を受け取れば、それぞれの勤続年数・加入期間に応じた退職所得控除枠を双方で全額活用することができました。
改正後のルール(10年ルール): この控除枠が重複しないために必要な間隔が「10年」に延長されます。
出所:LIMO「【2026年最新】iDeCo「改悪」の噂は本当?掛金上限引き上げはいつから始まるのか、退職金併用で損をする「10年ルール」への見直しと税金対策の実務アプローチ」
控除の枠を二重に使えないようにするための調整です。60歳でiDeCoを一時金で受け取り、65歳で退職金を受け取るという計画だと、間隔が5年しかないため調整の対象になります。
4. 「改悪」といわれるのは出口だけ。入口は拡充へ
掛金を出すときの優遇と、受け取るときの優遇は別の仕組みです。改悪と言われているのは出口のほうで、入口の枠は広がる方向で検討されています。
どちらの影響を受けるかは、自分がいつ受け取るのか、会社の退職金があるのかで変わります。積立の段階と受け取りの段階を分けて考えることになります。
受け取り方には年金と一時金、その併用があります。一時金だけが選択肢ではないという点も、出口を考えるときの材料になります。
5. 元DC講師が研修で必ず伝えていた3つの確認ポイント
研修でも最後に必ずお伝えしていた、3つの確認ポイントがあります。
5.1 掛金でどれくらい税金が軽くなるか試算する
まず、自分の掛金でどれくらい税金が軽くなるかを見てください。掛金全額が所得控除になるため、課税所得と税率が分かれば見当がつきます。
受講者の反応がいちばん大きかったのも、この試算でした。制度の説明を聞くより、自分の数字で節税額を見たほうが実感がわくようです。源泉徴収票などをもとに、一度計算してみることをおすすめします。
5.2 課税所得がない人はNISAとの使い分けも
ただし、課税所得がない人は掛金の所得控除を受けられません。所得控除は本人の所得からのみ差し引かれ、配偶者の所得からは引けません。
専業主婦(夫)の方や所得の少ない方からは、それでも加入すべきかという質問をよく受けました。運用益の非課税は活かせますが、口座管理手数料は毎月かかり、原則60歳まで引き出せません。NISAで十分なケースもあるため、目的に応じて使い分けることが大切です。
5.3 会社の退職金の支給時期を調べておく
そのうえで、会社の退職金がいつ出るのかを調べておきます。受取時期の間隔が控除の使い方を左右するためです。
受け取り方は直前になって考える方が多いのですが、退職金との兼ね合いを考えると早めの準備が欠かせません。勤務先の退職金規程や人事部門で支給時期や金額の見込みを確認し、iDeCoは一時金だけでなく年金受取や併用も含めて比較してみてください。受け取り方を工夫するだけで、税負担を抑えられる場合もあります。
6. まとめにかえて
iDeCoの税制メリットは3つです。掛金は全額が小規模企業共済等掛金控除の対象になり、運用益は非課税で再投資され、受け取るときは公的年金等控除か退職所得控除が使えます。
NISAには掛金の所得控除がありません。この点がiDeCoとの大きな違いです。
ただし受取時の退職所得控除には、会社の退職金との重複を調整するルールがあります。従来の5年から10年へ延長される見直しが入るため、受け取る時期は早めに考えておきましょう。
参考資料
- iDeCo公式サイト「iDeCo(イデコ)のメリット」
- iDeCo公式サイト「iDeCo(イデコ)の加入資格・掛金・受取方法等」
- LIMO「【2026年最新】iDeCo「改悪」の噂は本当?掛金上限引き上げはいつから始まるのか、退職金併用で損をする「10年ルール」への見直しと税金対策の実務アプローチ」
三石 由佳
