家族が亡くなったあとは、葬儀の手配と並行して各種の手続きが続きます。そのなかで見落とされやすいのが、健康保険からの給付です。
全国健康保険協会(協会けんぽ)は、被保険者が亡くなったときに支給される埋葬料・埋葬費を案内しています。埋葬料の額は5万円で、被保険者により生計を維持されていた人に支給されます。
本記事では、埋葬料と埋葬費の違い、誰が受け取れるのか、そして申請の期限について解説していきます。
1. そもそも「埋葬料」とは?健康保険から支給される5万円
埋葬料は、健康保険の被保険者が亡くなったときに、その埋葬を行う人へ支給される給付金です。
制度の骨格は次の4点です。
- 被保険者が亡くなったとき、生計を維持されていた人に埋葬料5万円が支給される
- 生計を維持されていた人がいない場合は、実際に埋葬を行った人に埋葬費が支給される
- 被扶養者が亡くなったときは、被保険者に家族埋葬料5万円が支給される
- 資格喪失後3か月以内に亡くなった場合なども対象になる
申請は、加入していた健康保険(協会けんぽの場合は各都道府県支部)に対して行います。
2. 3つの給付はどう違うか
協会けんぽの案内より、埋葬料・埋葬費・家族埋葬料の違いを確認しましょう。
2.1 埋葬料は生計を維持されていた人へ5万円
被保険者により生計を維持されていた人が、申請により埋葬料5万円を受け取れます。同居していたかどうかは問われません。
2.2 埋葬費は埋葬料を受け取れる人がいない場合の給付
被保険者に生計を維持されていた人がいないときは、実際に埋葬を行った人が埋葬費を申請できます。額は5万円の範囲内で、実際に埋葬にかかった費用です。
2.3 家族埋葬料は被扶養者が亡くなったときの給付
被扶養者が亡くなったときは、被保険者に家族埋葬料として5万円が支給されます。
3. 埋葬費として認められる費用と、申請の期限
埋葬費は実費が基準になるため、どこまでが対象になるのかが問題になります。次の画像では、埋葬費として認められる費用と申請期限を解説します。
協会けんぽは、埋葬費の対象になる費用として、霊柩車代、霊柩運搬代、霊前供物代、火葬料、僧侶の謝礼などを挙げています。
申請の期限は、埋葬料については死亡した日の翌日から2年、埋葬費については埋葬を行った日の翌日から2年です。
4. 健康保険の資格を失ったあとに亡くなった場合も対象になることがある
退職して健康保険の資格を失ったあとに亡くなった場合でも、次のいずれかにあたれば埋葬料・埋葬費が支給されます。
- 資格喪失後3か月以内に亡くなったとき
- 傷病手当金または出産手当金の継続給付を受けている間に亡くなったとき
- 継続給付を受けなくなってから3か月以内に亡くなったとき
退職直後の死亡については、以前の健康保険に申請できる可能性があります。
葬儀のあとは手続きが立て込み、5万円の給付は後回しになりがちです。
ただ、申請期限は2年あります。あとから思い出しても間に合うことが多いので、落ち着いてから加入していた健康保険に問い合わせてみてください。国民健康保険や後期高齢者医療制度の場合は「葬祭費」という名称で、市区町村から支給されます。額は自治体によって異なります。
